クライマーは食事で強くなる。その5[痩せる方法]

前回の記事では、太る理由について記事にいたしました。

前回の記事はこちら↓

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今回は、「痩せる方法」について記事にしようと思います。

この記事はこんな悩みを抱えている方にオススメです!

  • なかなか痩せない…
  • 食欲抑えることができない…
  • ダイエットの方法が知りたい
目次

体脂肪が増えるデメリット

まずは肥満による体への悪影響を羅列しますので、以下のリストを見てみてください。

  • ボディラインの崩れ
  • 運動意欲の低下
  • テストステロン分泌抑制
  • 食欲増進
  • 生活習慣病リスクが高まる

①と②のボディラインの崩れと運動意欲の低下は説明するまでもないかと思います。

太ると様々なことに対するやる気がなくなり、負のスパイラルに陥ります。

肥満の方は③テストステロン分泌が抑制され、運動意欲や筋肉の成長を阻害し、さらに、食欲を抑えるホルモンの分泌が抑制され、④食欲が増進してカロリーオーバーとなります。

肥満による⑤生活習慣病は糖尿病、高血圧、痛風などが挙げられ、最悪の場合は狭心症や心筋梗塞を引き起こします。

このように筋肉を増やすにも、健康な体を維持するためにも体脂肪は減らさなければいけません。

食欲の抑え方

この項では、ホルモンなどをコントロールし食欲を抑える方法を説明いたします。

まず1つ目は「トリプトファンを摂取することで、セロトニンがつくられて満腹感を得ることができる」というもの。

セロトニンとは、癒やしや幸せを感じたりと精神安定を担い、体温調整や食欲の抑制をする神経伝達物質です。

朝日を浴びたり、ウォーキングなどの単調な動きを繰り返すことで分泌されますが、他にもトリプトファンを摂ることでも分泌されます。

トリプトファンとは、カツオやマグロ、オートミールなどに多く含まれますが、それで摂取するとインスリンが分泌されるためトリプトファンは筋肉に送られてしまいます。

トリプトファン単体で摂取することによりインスリンの作用が起きず、脳内に取り込まれることでセロトニンが作られ、満腹感を得ることができるということです。

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2つ目は「タンパク質を摂取することでレプチン感受性が高まり食欲が抑制される」というもの。

前回の記事で”グレリン”という睡眠不足等により分泌され、食欲を増進するホルモンを紹介しました。

今回は反対に食欲の抑制に関わる、”レプチン”というホルモンを紹介いたします。

レプチンは食後や運動後に分泌され、食欲を抑制してくれるホルモンですが、睡眠不足等で分泌量が減り、グレリンの分泌が増加してしまいます。

さらに、アルコールもレプチンを減少させます。

食欲抑制ホルモン”レプチン”の感受性を高める方法があります。

それはTFCバランスの割合をタンパク質30%に増やすこと。

割合について詳しくは前回の記事(PFCバランス)にて。

タンパク質はホエイプロテインがよく、グレリンを減らし満腹ホルモンを分泌させ、食欲を抑制します。

3つ目は「よく噛むことでヒスタミンを増やし、満腹中枢を刺激する」というもの。

ヒスタミンは30回ほど咀嚼を繰り返すことで刺戟が結節乳頭核に働きヒスタミンが生成され、ヒスタミンが増えることで満腹感を得ることができます。

他には、カツオやマグロなどに多く含まれるヒスチジンを摂取することでもヒスタミンを増やすことができます。

体脂肪の減らし方

この項では体脂肪の減らし方を具体的に紹介していきます。

小分け食

平均45歳の肥満者を56日間行った研究によると、タンパク質の割合を増やすと体重と体脂肪が減少、さらに3食より6食の方が体脂肪が落ちる。という研究結果が出ています。

ちなみに、この実験のPFCバランスはタンパク質が少ないグループは「タンパク質15%:脂質15%:糖質60%」となっており、タンパク質が多いグループは「タンパク質35%:脂質20%:糖質45%」となっております。


参考リンク:Department of Health and Exercise Sciences, Skidmore College, Saratoga Springs, New York, USA. parciero@skidmore.edu

咀嚼

よく噛むことはヒスタミンを増やし満腹中枢を刺激しますが、同時に食欲を抑制するセロトニンの分泌、コレシストキニンを長時間分泌させるという効果もあります。

コレシストキニンというのも満腹感を高めてくれるホルモンですが、本来は小腸から分泌され胆汁を出し膵臓から消化液を出す役割を担っています。

このコレシストキニンは、食事量が少なかったりカロリーがないものでは分泌されません。

ノンカロリードリンクは、血糖値が上がらずコレシストキニンも分泌されないため満腹感を感じにくいのです。

咀嚼回数を増やすメリットは他にもあります。

食事誘発性熱産生(食べることで発生するエネルギー)の増加により代謝も増えるため、ダイエット時はよく噛んだほうが良いと言えるでしょう。

食べる順番

よく、ダイエットには野菜から食べたほうが良いと言われています。

おそらく、野菜を先に食べて糖質を後に食べれば血糖値の上昇が抑えられ、インスリンの分泌が緩やかになり脂肪を蓄えにくくなる。という考え方が一般的。

本当にそうなのでしょうか…僕は疑問に思います。

一回の食事の中で、最初に野菜を食べてからごはんを食べたとしてもせいぜい5分ほどの差。

結局は胃の中で混ざり、後でも先でも一緒に消化されるのであまり変わらないのではないのでしょうか。

確かに水溶性食物繊維(もくずやめかぶなど)ならば、ごはんよりも先に消化されますし、小腸での糖の吸収を遅らせることができるため血糖値の上昇は緩やかになるかもしれません。

しかし、水分をあまり含まないような不溶性食物繊維は、消化にある程度時間がかかるので意味があるかは分かりません。

ただ、不溶性食物繊維は体内で水を吸収し、容積が増加し満腹感をもたらします。

野菜を先に食べると痩せるかどうかの研究結果は不十分で、実際に意味があるのかわからない…というのが現状のようです。

断食(ファスティング)

最近流行っているファスティング。

少しファスティングについて調べてみると、”腸内に留まっている宿便を排出することで健康になる”らしいのですが、医学的には宿便は存在しないことになっています。

断食(ファスティング)による本当の作用とは「食べないことで、体内のエネルギーが枯渇し体調が悪くなります。枯渇するとエネルギー供給がブドウ糖からケトン体に置き換わり、体がケトーシスになることで体調が改善されたと”勘違いさせる”」というもの。

確かに、食べてない分カロリーを削ることができるので一時的に体重は落ちます。

完全断食をするダイエット方法は、肥満者や食べすぎにより胃腸がつかれている人には効果があるかもしれませんが、僕たちクライマーには悪手となります。

なぜなら断食後、もとの食事に戻すことでもとの体調に戻りリバウンドの原因になりますし、多くの筋肉が減ってしまいます。

僕のブログを読んでくれている方ならわかるかと思いますが、筋肉を分解してエネルギーを作る「糖新生」が起こるのです。

断食は、筋肉と脂肪を減らすことで一時的に体重を減らしたい方向きですね。

ケトン体については次回の記事で説明いたします。

完全な断食ではなく、「プチ断食」と呼ばれているものはどうなのでしょうか。

プチ断食とは「一日のうち16時間断食し、8時間の間だけ食べる」というもの。

肥満になりやすい食事を摂っている方には「プチ断食」は有効のようです。

他にも「1日おきに超低カロリーにする」というプチ断食でも効果はあるそうです。

参考リンク:Time-restricted feeding is a preventative and therapeutic intervention against diverse nutritional challenges

有酸素運動

ダイエットを考えるとき、まず頭に思い浮かべるのは「ランニング」ではないでしょうか。

ランニングは太ももなどの大きい筋肉を使い、酸素を多く消費するため体重を減らすにはいいかもしれません。

しかし、有酸素運動のやりすぎは女性ホルモンやコルチゾールのレベルを上げて、テストステロンを減らしてしまうというマイナスの効果もあります。

そこで、無酸素+有酸素運動を組み合わせた高強度インターバルトレーニング(HIIT)が有効なようです。

20秒全力運動→10秒の緩やかな運動or休息を8セットほど繰り返します。(田端式トレーニング)

この田端式トレーニングは脂肪燃焼、体組成改善、インスリン抵抗性改善、食欲の抑制をもたらします。

ここからは、有酸素運動の方法は少し置いておき、”続くか続かないか”の観点で話していこうと思います。

ダイエットにおいて大切なことは「続けること」ですからね。

僕が思う、続くダイエットとは普段の動きのレベルを1段階上げるというもの。

細かいですが羅列していこうと思います。

  • 立って歯磨き→歩きながら歯磨き
  • エスカレーター→階段
  • 歩く→小走り
  • 車→自転車
  • 寝そべる→座る
  • 座る→立つ

これは生活習慣の改善で、もとの生活習慣と比べて一年間のトータル消費カロリーは圧倒的に高くなります。

一時のダイエットよりも続きやすくリバウンドも起きにくく、将来的に見た時、効果は雲泥の差だと思います。

中には今からでも始めることができるものもあると思いますのでぜひ、”動きのレベルを1段階上げるダイエット”やってみてください!

体脂肪増加を抑制する栄養素

今から紹介する栄養素は相性や個人差があり、実際に飲んで試すか自分の条件と合っているか調べてから試してください。

例えば、茶カテキンは肥満の人には効果がありますが、それ以外の人には効果がないようです。

痩せる成分が入っていると謳われている商品は、事実を少し歪曲して売り出していることがあります。

それを承知していただいたうえで以下の栄養素を見てみてくださいね。

まず脂肪の燃焼を促すと言われる栄養素。

  • カルニチン
  • エンザイムQ10
  • α-リポ酸
  • 茶カテキン
  • HCA

次に脂肪の分解を促進すると言われている栄養素。

  • フォルスコリン
  • CLA
  • カフェイン
  • カプサイシン

最後に脂質、糖質の吸収を抑えると言われている栄養素。

  • 難消化性デキストリン
  • ウーロン茶ポリフェノール

まとめ

  • 体脂肪が増えると運動する気が起きなくなり、食欲が増す
  • トリプトファンの摂取で満腹感を得ることができる
  • タンパク質を多く摂ることで食欲が抑えることができる
  • よく噛むと満腹中枢を刺激する
  • 1日6食の小分け食の方が痩せる
  • 野菜を先に食べれば痩せるのかは不明
  • 完全断食はだめ、プチ断食はOK
  • 過度な有酸素運動はやめたほうがいい
  • 田端式トレーニングが有効
  • 生活習慣の中の動きを見直す
  • 脂肪燃焼が謳われている栄養素はしっかり調べてから摂取する

以上。痩せる方法を説明しました。

次回はこの記事にも少し出てきた「ケトン体」について記事にしたいと思います。

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