あなたには、尊敬しているクライマーはいますか?
ジムの常連さんや店長さん?
プロクライマー?
それとも、遠征先や岩場で出会ったつよつよクライマー?
僕たちは知らず知らずのうちに、自分よりも強いクライマーを真似ています。
「真似る(=モデリング)」ことは「イメージトレーニング」であり、「学び」です。
モデリングの力
「モデリング」というのは言葉の通り、モデル(模範やお手本)となる人物の登り方や、思考、行動力などを真似ることを指します。
あなたが尊敬するクライマーの、登り方、考え方、生活パターン、思考パターン、行動パターンを真似ることで、そのクライマーと同じような結果を得ることができるのです。
「真似る」ことは簡単に思えて実際は難しく、”あの人のように強くなりたい!”と願う意志の強さで成長スピードは決まります。
自分より優れた人物を真似るというのは、人間の成長の王道なのです。(中略)モデリングは、学習や成功を加速する極めて強力なテクニックなのです。
出典:プロが教える初めてのNLP超入門
ボルダリングで例えると、自分が登っている姿は想像できないけれど、あの人が登っている姿なら想像できる。
自分ができなかった課題を、強い人に登ってもらった時、あまりに簡単そうに登るため、「自分でも登れるかも…」と感じる。
という経験はありますか?
自分が登っている姿を想像する、「イメージトレーニング」は困難な課題をイメージする場合、自分の限界を決めてしまっているとイメージすることがとても難しくなります。
しかし、自分よりも強いクライマーをイメージしたり、強いクライマーにできない課題を登ってもらい、それを自分に置き換えることで「もしかしたら、できるかもしれない」という状態になります。
そして、そのモデリングの効果を発揮させるには「自分にも登れる」と信じ、無意識のレベルまでイメージをすり込むこと。
さらに、無心に課題や動きのイメージトレーニングを繰り返すことで、違う課題で同じような動きがでてきてもスムーズに動けるのです。
強いクライマーが登っている動画をみるのも有効です。
多くのクライマーは、全くイメージできていない課題は登ることができません。
そこで、完登への近道は、登りたいと思った課題を登れた状態と、課題をうまくこなしている自分を具体的にイメージすること。
今のあなたに、登りたいと思っている課題はありますか?
完登のイメージ
完登への近道は、登りたいと思った課題を登れた状態、課題をうまくこなしている自分を具体的にイメージすることだと述べました。
課題の完登を目標にするならば、「8フレームアウトカム」がここでも役に立ちます。
上記の記事でも説明しております。
「完登への8フレームアウトカム」
①あなたが登りたい課題はなんですか?
②登ることができた時のことを想像すると、何を感じますか?
③いつ、どこで登りますか?
④登ることができたら、何が変わりますか?
⑤登るのに必要な、あなたが今持っている強みはなんですか?
⑥登れない理由はなんですか?
⑦その課題を登ることは、あなたにとってどのような意味がありますか?
⑧何から始めますか?登るためにできることは?
これらのことを、自分の五感で具体的に味わい、言葉にすることで「登れるイメージ」が湧いてきます。
思い込みの恐ろしさ
簡潔に言います。
「自分には無理だ」
「やればできる」
どちらの思い込みのほうが、完登に近づきますか?
はい。そうです。
「やればできる」
と、思い込んでいる人のほうが成長は早いのではないでしょうか。
僕たちが持っている”思い込み”は、考え方や行動に影響します。
この”思い込み”は「自分の中の事実」であり「客観的な事実」ではないことがあります。
僕はクライミングジムの店員をしている時、”思い込み”の怖さを実感します。
店員をしていると、お客さんに課題を奨める場面が多くあります。
僕から見れば少し練習すればできるようになるだろう、と感じる課題を教える時。
「これは難しい、できない」
「前に少し触ったけど、できなかった」
と、その人の中ですでに課題を諦めていて、登ろうとしないのです。
登れる可能性があるのに、です。
このように思い込みは、行動や結果に影響します。
「ヒールは苦手」
「ランジはできない」
僕たちは一回体験すると、「こういうものだ」「いつもそうなる」という思い込みが発生します。
数回の失敗が、本人の体験の結果となり、無意識に心に記憶されます。
さらに、その失敗が恥ずかしさや痛みを伴うとなると、強烈に自分の中に残ります。
強烈かつネガティブな思い込みは、上達のスピードを遅らせます。
思い込みは上書きできる
”思い込み”を変えるためには、自分の無意識の領域にある”思い込み”を引き出し、気づくことが必要です。
そこで、自分の思い込みの捉え方を変えます。
①登ってみる。本当は苦手ではないかもしれない。
②なぜ、登れないのかを深く考える
③思い込みが発生した理由を考える。
④ポジティブになるように思い込みを変える
このように、自分の捉え方を変えると登り方や行動が変わっていくはずです。
最後に
モデリングは難しいですが、自分よりも強いクライマーを真似ることで、ムーブの幅が広がったり、グレードを上げることもできます。
目標を決め、ポジティブな思い込みを作ることでトレーニングの内容から、登れる課題の難しさまで、環境が変わり、成長を早めます。
「ネガティブな思い込み」
- 一度無理だったものは無理
- 登ることは大変
- 下手だから登れない
- これは苦手だ
- 孤独
- 何をやってもうまくなれない
- 運が悪い
これらの思い込みは自分の限界を決めてしまっていて、目標が遠のきます。
「ポジティブな思い込み」
- 結果は後からついてくる
- 私は登れる
- 私は上手い
- これは得意
- 誰かが見てくれている
- 失敗は成功のもと
- 運がいい
これらはモチベーションになる思い込みです。
このように考えることができれば、目標の達成が早まります。
普段からポジティブに考える習慣を作れるといいですね。
なんにせよまずは、目標とモデリングの対象を決めてみてください。
これが上達を早める第一歩となります。
僕も肝に命じておきます。
参考文献
コメント
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[…] 真似ると強くなる![ボルダリング上達への近道はモデリング] […]