どもども。
ぶちょーです。
クライミングを上達させるには、登りこむ以外にも考えなければいけないことはたくさんあります。
今回は「呼吸」について。
呼吸をもっと考えれば、クライミングがまた一歩前進しますよ。
この記事では、”クライミング中の呼吸法”と、”日常生活での呼吸のススメ”をお伝えしようと思います。
この記事を書くにあたって参考にした書籍はこちら
クライミング関係の本のなかに呼吸について、詳しく説明しているものはほとんどありませんでした。
僕が見つけたのはクライマーズバイブルに載っている、平山ユージさんと小山田大さんのインタビューの一部のみでした…
Q 呼吸について
A ヨガで学んだ。呼吸は力を出す、緩めるときも、集中するときも吐くが基本。(略)鼻から吸って口から吐く。場合によっては短く、フッ、フッと吐き出す。自分は腹式呼吸になっているようだ。
出典:クライマーズバイブル[上]理論編
これは平山ユージさん
次に、小山田大さん
Q 呼吸の意識は?
A している。集中する一手を出す時に吸うと調子が良いことが多い気がする。声を出すこともあるので吐いて動くこともあるね。吐いているのは力を抜きたい時、または動けなくなってどうしようもない時に吐いて体を緩めて手を出す。力を出す瞬間は息を止めたりもあるし、ムーブによって違うね。
出典:クライマーズバイブル[上]理論編
吐くが基本です。
他にも呼吸の記事を見つけ次第、随時更新しますね。
クライミング中の呼吸編
まずは、誰しも一度は気になったことがあるであろう、登っている時は”吐くのか” ”吸うのか”問題。
これから説明いたします。
一瞬の力み
パワーを出そうとしたときに、息を止め続けてはいけません。
力むとき、息をついつい止めちゃう…って方は多いですよね。
呼吸をせず、無酸素で出せるパワーには限りがありますし、
息を止め続けて登ってしまうと、血圧が上がってしまい、意識を失ってしまう可能性もあります。
息を止め続けることは危険です。
ボルダリングにおいて、ほんの一瞬だけ息を止めるというのは、ハイパワーを出す上で有効です。
しかし、課題の序盤や中間で息を止めてパワーを出そうとすると、上部、終盤でパワー切れがおこることが多いです。
ハイパワーが続くクライミングにおいて「息を止めて力を出す」ことは、できる限り避けましょう。
頑張ろうとすると僕もつい、息が止まっちゃうんですけどね…
登っている最中に意識しなければいけないことは、息をはくこと。
息をはくと副交感神経が刺激され、リラックスすることができます。
体幹も締まり、体のブレも抑えることが可能となります。
力を出す時は吸わず、吐きましょう!
なお、瞬発的な力を出すコツは「脱力してから力む」です。
これはまた別の記事にて…
持久力が増す呼吸
息をとめる時間が長くなれば長くなるほど、出せるパワーは枯渇していきます。
持久系のルートを登るとき、息をとめてしまうのは命取りです。
すぐにパンプします。
それはなぜか。
筋肉をスムーズに動かすには、血流を滞らせてはいけないのです。
血流は呼吸でコントロールします。
刻一刻とたまり続ける「酸」を排出し、血をよく巡らせる。
これが”パンプの抑制”に繋がります。
パンプのメカニズムの有力な説はこのような感じです。
- 前腕の筋肉をたくさん使う
- 筋肉が膨張して、血流が悪くなる
- 乳酸が筋肉に溜まる
- 筋肉中の血液が酸性になる
- 血液中の液体成分が血管外に移動
- 筋膜内の圧力が上がる
- 血流がさらに悪くなる
- 酸素とエネルギー不足になる。
このように、筋肉中の血液が酸性に傾くことでパンプが起こります。
体内の酸を体外に排出するには、息を吐いて二酸化炭素を排出しましょう。
実は体内の酸素は常時、ほぼ満ちている状態にあります。
吸って酸素を体内に取り込もうとするよりも、吐いて二酸化炭素を排出するほうに意識を向けたほうが理にかなっているのです。
よく言われる
— N_クライミング専門医 (@now_med_4_yall) June 21, 2019
クライミングトライ中の呼吸が大事
実は酸素は足りていて
目的は酸である二酸化炭素を吐き出すこと
筋肉に乳酸がたまり
筋肉/血液は酸性になる
すると筋肉は収縮できなくなる
酸を体外に出す臓器は”肺”と”腎臓”
コントロールできるのは”肺”だけ
吸うより吐く、それも深く、何度も
Nさん。使わせていただきます。
手数が多い課題に取り組もうとしているクライマーにするアドバイスは
「大きく息を吸え」❌
ではなく
「より息をはけ」⭕
になります。
日常生活編
ここからは日常生活において気をつけることを具体的に説明していこうと思います。
日常生活は365日です。
毎日筋トレは効率が悪いですが、「呼吸トレーニング」なら毎日できます。
365日コソ練です。
これで、周りのクライマーを一歩リードしましょう!
口呼吸をやめる
まず、日常的に口呼吸をしてしまっている人は鼻呼吸に移行してください。
鼻呼吸にすると疲れにくくなったり、食欲が減ったり、免疫が上がります。
口呼吸のデメリット
- 血流が悪くなる
- 疲労を感じやすい
- 集中力が低下
- 口呼吸の子供は猫背になる
- 脱水しやすい
- 口臭の原因
- いびきや呼吸障害の原因
鼻呼吸のメリット
- 呼吸量が減る
- 吸い込む空気が温まる
- 細菌やバクテリアが除去される
- 運動時の鼻呼吸は有酸素運動と同じ効果
- 一酸化窒素を肺に送ることができる
- 動いている筋肉に酸素が送られるため、乳酸が減る
- 心拍数が減る
- 体重が減る
呼吸量を減らすと
日常的な”口呼吸”や”深呼吸”や”ため息”などにより、常に呼吸量が多い人は、必要な二酸化炭素まで排出してしまっています。
そのような人は、正しい呼吸をしている人に比べて運動時の呼吸が激しくなります。
呼吸の量が増えると血中の二酸化炭素が減り、酸素が筋肉に運ばれなくなります。
すなわち、日常から呼吸量がおおい人は運動時に、より呼吸量がおおくなり疲れやすくなっているということです。
呼吸量がおおい人は、日常から呼吸を減らすことで運動時、筋肉に効率よく酸素がいきわたります。
一酸化窒素を意識する
口呼吸から鼻呼吸にすると肺に送られる一酸化窒素が多くなります。
一酸化窒素には気道や血管を拡張する働きがあり、平滑筋(気道などの内臓の筋肉)の拡張は運動時の酸素の運搬能力が上がります。
その他にも、血圧の調整、恒常性の維持、神経伝達、免疫、呼吸で重要な役割を担っているそうですよ。
ハミングは静かに呼吸するのに比べて一酸化窒素量を15倍増やすようです。
レッツハミング!
高地トレーニングをすると持久力が上がる
高地トレーニングをすると、赤血球の数が増えます。
赤血球の量が増えると酸素運搬能力が上がります。
酸素運搬能力が上がるということは持久力も上がります。
しかし、トレーニング時に酸素を少なくしてしまうと最大筋力を発揮できなくなり、運動量が減り、筋力が落ちます。
トレーニングする時は、酸素が十分にある場所をおすすめします。
そうは言っても、一般の人はそうそう高地トレーニングなんてできませんよね。
そこで、息を吐いて、止める。
というトレーニングが有効のようです。
息を吐いた後に息を止めると、血液の酸素飽和度が下がり、高地トレーニングの効果を再現できるのだ。
出典:トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法
息を吐いた後で息を止め、肉体を意図的に酸度の高い状態にすると、酸度への耐性が増し、その結果として競技中の疲労が抑えられるという。
出典:トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法
要するに、息を止めるトレーニングを行うと、血液が酸性になりにくくなり、パンプ対策ができる。
ということですね!
本ではランニングによる、疑似高地トレーニングの方法が説明してあります。
走りながら一分間に一回ほどのペースで息を吐いてから息を止め、中度から強度の息苦しさを感じたら呼吸を再開する。
出典:トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法
ランニング時は、鼻呼吸が前提です。
ダイエット効果
呼吸量を減らすと、食欲のコントロールができるようになります。
呼吸量が多い人は、二酸化炭素を多く体外に排出するため、血液がアルカリ性に傾いています。
アルカリ性に傾いたPH値をもとに戻すために、体が酸化する食べ物を欲するように…。
体が酸化する食べ物というのは、加工食品や、甘いもの、など…
さらに、慢性的なストレスが続くと、呼吸量は多くなります。
重曹でパンプ対策
重曹は、炭酸水素ナトリウムや重炭酸ソーダとも呼ばれ、料理や掃除に用いられることが多いですよね。
重曹には血液のPH値を正常に保つ働きがあります。
血液が酸性に傾くと起こる”パンプ”は、もしかすると、「重曹」で軽減できるかもしれないのです。
0.3g/kg(体重)分の重曹を水(飲み物)に溶かし、登る一時間前に摂取しましょう。
重曹の人体実験は後日、自分の体で試してみようと思います。
まとめ
クライミング中の呼吸は”吐く”が基本。
持久力系の課題は特にです。
さらに、日常から鼻呼吸を意識し、呼吸量を少なくして、酸素運搬能力を上げておくとパンプしにくくなる。…かも。
これは僕が自身で実験していきます。
重曹を使った人体実験の結果もブログに書きますので、お楽しみに!
呼吸についてわかったら、今度は「メンタル」について考えましょう。
「メンタルを強くする」
食事について考えてみてもいいかも…
「クライマーは食事で強くなる」
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