クライマーの中には1級に憧れを持っている方も多いのではないでしょうか。
1級を登るようなクライマーはフィジカル、技術共にハイレベルなものが要求されます。
この記事では”1級が登りたいと思っている方”に向けて「どうすれば1級が登れるのか」を説明していきます。
1級が登れない…
1級を登るためにはどんなトレーニングをすればいいの?
このようなクライマーは以下のことを考えてみて下さい。
- 弱点の強化
- フィジカルと保持力の強化
- 細部の技術強化
この記事ではこれらのトレーニングや考え方をまとめています。
この記事を書いた人
ぶちょー(クライミング飛鳥店長)
15歳からクライミングをはじめ、現在29歳。
趣味は読書やカメラ。
【登ってきた主な課題】
最高RP 四段 5.13d フルチャージ(四段) Midnight Lightning(V8)などなど
2級がコンスタントに登れない方は、まずはこちらの記事を読んでみて下さいね⇩
1級クライマーになりたい方
まずはじめに、1級を”登れたことのある”クライマーになりたいのか、1級を”コンスタントに登れる”クライマーになりたいのかによってトレーニング方法は異なります。
どうしても登りたい1級の課題がある場合、”その課題を想定した課題、もしくはその課題を登り込むこと”で登ることができます。
しかし、「コンスタントに1級を登りたい」「いろいろな1級の課題が登りたい」と思ったとき、ひとつの課題を固執してトレーニングする方法は効率が悪いのです。
基本的にどのグレードにおいても自分の実力を上げたいと思ったときは「トレーニングの量」「トレーニングの質」「コンディショニング」を考える必要があります。
トレーニングの量はモチベーションによって差がでます。
トレーニングの質は情報や知識の量によって差がでます。
コンディショニングは日々の積み重ねにより差がでます。
これらを高いレベルで積み上げられたクライマーが1級を登ることができます。
トレーニングの方法
1級をコンスタントに登れるようになりたい方のためにその方法を紹介します。
弱点の強化
まずは自分の実力を把握しましょう。
なにが得意で何が苦手なのか、苦手なムーブがある場合それが上達の足を引っ張っている可能性もあります。
なぜなら、1級というグレードは幅広い多くの技術を使って登る課題が多いからです。
どれか一つでも苦手なムーブがある限り、1級を登ることは困難なものになるでしょう。
その他にも、傾斜によって得意不得意がある場合、壁を選ばないと1級を登れないクライマーになってしまいます。
それを改善するためにまずは「得意不得意を探し、不得意なムーブのレベルを上げる」ことが重要です。
簡易的ではありますが、苦手克服対応表がありますので参考にしてみて下さい。
弱点 | トレーニング方法 | オススメ傾斜 | プランニング | ポイント |
---|---|---|---|---|
力がない | ボルダートレーニング トレーニングボード | 強傾斜 | 週1~2回 | 限界まで登る 体が回復してから行う |
すぐに疲れる | サーキットトレーニング 長物 | 緩傾斜 強傾斜 | 週1~2回 | できるだけ休憩をとらない |
体幹が弱い | サーキットトレーニング ボルダートレーニング 長物 | 強傾斜 | 週1~2回 | ボディを意識する 腰の位置を考える |
保持力がない | サーキットトレーニング ボルダートレーニング トレーニングボード | 緩傾斜 強傾斜 | 週1~2回 | 指が痛いときは行わない 少しずつ強化する |
パンプに耐えられない | サーキットトレーニング 長物 | 緩傾斜 強傾斜 | 週1~2回 | 腕がパンパンになるまで行う |
思うように動けない | ムーブ精密化トレーニング 長物 | 緩傾斜 | 週2~4回 | 連動性を考える 動きを分解する |
脱力できない | ムーブ精密化トレーニング 長物 | 緩傾斜 | 週2~4回 | 肩の力を抜く ゆっくり動く |
ムーブが閃かない | ムーブ精密化トレーニング 課題作り セッション | 緩傾斜 強傾斜 | 週2~4回 | 検証を繰り返す 動画を撮る 上級者を真似る |
オブザべできない | 課題作り セッション | 緩傾斜 強傾斜 | 週2~4回 | 登りをイメージする 経験を増やす |
体幹と保持力の強化
フィジカルの強化は、基本的に「自分ができるかできないかギリギリの課題を登る」ことで強くなります。
自らの限界を押し上げるためには、限界の強度でトレーニングしなければいけません。
補助トレーニングとして腹筋やスクワット、懸垂を取り入れましょう。
持久力をつける
1級という課題の中には手数が多く、前腕をパンプさせながら登っていく課題も出てきます。
そのためにはある程度の持久力も必要です。
持久力の強化は「リードクライミング」「長物」などでトレーニングをすることが可能です。
補助トレーニングとして、「グーパートレーニング」などがあります。
コンディショニング
上記で「限界を押し上げるには限界の強度のトレーニングが必要」と言いました。
しかし、体の回復がトレーニングの負荷に追いつかない場合、クライマーは疲労が溜まり怪我をします。
体の回復を早めたい場合、食事や睡眠の質を上げる必要があります。
これはコンディショニングの一部です。
他には、ストレッチ、体の調整、使えていない筋肉を使えるようにすることもコンディショニングです。
これらを考えることで回復が早まったり、ケガをする確率が減り、効率よく上達していくことが可能になります。
細部までこだわりましょう
道具
現代のシューズやチョークはどれも性能が良く、繊細な部分の違いは使い続けて多くの状況を経験しないと分からないのが正直なところです。
シューズで例えると、スラブの細かいところに立ちこみやすいシューズと、強傾斜などのボテに乗りやすいシューズはやはり違います。
それ以外にも、自分の足に合うか合わないか、ヒールやトゥフックはかけやすいかかけにくいか、かき込めるか、足裏感覚はあるか、など千差万別です。
かっこいいシューズや憧れのクライマーが履いているシューズを選ぶのも、もちろんいいと思います。
しかし、いろいろなシューズを試す前に「これだっ」と決めてしまうのは、少し勿体ないのではないでしょうか。
はじめに言った通り現代のクライミング道具は高性能なものが多いため、選ぶのはかなり難しいです。
おすすめはやはり、「たくさんの種類を試して、自分に合ったものを探す」ことです。
保持感と足置き
あなたは登れない課題に直面した時、どこまで細かいことを考えていますか?
保持や足置きの数ミリの差は考えているでしょうか。
使う指、肩の位置、力の入れる角度や体のポジションは考えていますか?
遠い一手を出す時の呼吸について考えたことはありますか?
このように、細かいですが考えなければいけないことは山のようにあります。
1級というグレードの課題を登るためには、課題やホールドから多くの情報を読み取らなくてはいけないのです。
ただフィジカルを鍛えるだけではいずれ壁にぶつかります。
上級者になればなるほど細部までこだわり、思考を巡らせています。
連動性
1級以上を登る上級者のクライミングには、”連動性”が必要になります。
連動性とは簡単に言ってしまえば「体全体を上手く使って登れるかどうか」です。
上半身の力が強い、体幹が強いだけでは最大限の出力は生まれません。
体全体のスムーズな動きが、あなたの実力を100パーセント出す方法です。
スムーズな動きというのは基礎の動きの延長線上にあります。
どういうことかというと「簡単な課題をより簡単に登ることの積み重ね」が連動性を上げ、実力を発揮できるようになるのです。。
まとめ
- 不得意を練習する
- 限界の強度でフィジカルトレ
- 持久力をつける
- コンディショニングが大切
- 道具にこだわる
- より細かいところまで考える
- 連動性を上げる
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