ボルダリングの伸び悩み、行き詰まりの対処法[上達が止まったら]

さて、今回はスランプクライマーの皆様に向けて記事を書きますよ。

四段が登れるようになるまでに僕が伸び悩んだ時におこなったことや、考えたこと


さらに、おすすめの対処法まで。

スランプってなに?って方は、まずはこれを読んでみてくださいね。


伸び悩みや、行き詰まりっていうのは、誰にでもおきます。

今までスムーズにグレードを上げてきたのに…

いきなり止まった…

そう感じることありませんか?

僕もありました。

というか、今も伸び悩んでおります。

今までの僕は、

6級で苦労、3級で壁を感じ、1級でつまずき、二段で停滞、三段で挫折しかけ、四段は絶望。

…こんな感じです。

しかし、伸び悩みを感じながらも10年。

RP四段、なんとか達成してます。

今回の記事は、「僕が伸び悩んだ時に行なったトレーニングや試行錯誤」を紹介致します。

  • 今まさに伸び悩んでいる人
  • グレードを上げるためになにをすればいいのか分からない人
  • ぶちょーの過去を知りたい人

は、ぜひ最後まで読んでみてください。

何か強くなるためのヒントが載っているかもしれません。

目次

伸び悩み①「6級が登れない!」

僕にもありました。「6級が登れない」時期が…

クライミングと出会ったのは、僕が高校生の頃。

青春をクライミングに捧げた3年間。

学校に小さな壁があり、山岳部がありました。

”中学の同級生が誰もやってないようなことを始めたい”

これが動機だった気がします。

今となってはあやふやですけど…

当初の僕は懸垂2回がやっと。

ヒョロヒョロのヒョロ。

初めてホールドを触ってから3ヶ月ほど経ち、初めてクライミングジムに行った時のこと。

(当時のことはほとんど記憶にないですが、これは覚えてます笑)

ジムの6級が登れない!強傾斜の!

だって学校の壁は120°あるかないかくらいですから!

140°?未知の領域。

登れず、うだうだしてたら、ちよさん(当時60歳くらいかな?飛鳥オーナー)がさらっと登って見せてくれました。

余裕で登る姿は衝撃。

「この人やべえ…」

(飛鳥で初めてクライミングした、ほとんどの方がこの感想)

この時に気付きました。

それは「力よりも動き方が大切」ということ。

楽に登ることが、完登につながる…と。

重心とかムーブとか、教わっても分からないのでこの時はひたすら数をこなしました。(少しは試行錯誤も必要)

数こなせば、嫌でも楽に登る方法分かります。

この学びは10年たった今でも大切だなぁって思いますね。

楽に登るの大事。

脱力。シャオリー。

伸び悩み②「3級の壁」

「3級の壁は分厚い」

そう思っていた頃もありました。たぶん。

これからもっと遥かに分厚い壁を感じ続けるのも知らずに。

クライミングという遊びにハマって一年。

「動き方をスムーズに、楽に」

ちよさんの教えを意識して登ったところ、順調に上達していきました。

4級までは…

その頃、僕が得意だったのはダイアゴナル。

まあ、ダイアゴナルに得意不得意なんてあるのかって感じですかね…

あるんです(笑)

ちよさんや学校の先輩に教わった、カウンターバランスやヒール。

これさえあれば怖いものなんてないくらいに思ってました。笑

(トゥフック、キョン知らない)

今思えば、知識も技術も初心者同然。

ヒョロヒョロもやし野郎が3級をトライし始めて思ったことは…”力が足りない”。

楽に登れる方法が身についていても、力がないと登れない課題はあります。

これはヒョロヒョロクライマーの弱みですね。

逆に、当時の僕の強みは、ヒョロヒョロなおかげで結構悪いホールドが持てていたこと。

持てていたけど、動けない…そんな感じ。

僕はこの頃、苦手は見ないふり、、、、得意を伸ばす練習を意識していました。(得意な課題じゃないと楽しくないため)

この時、得意を伸ばすトレーニングのおかげで、保持力は順調に育っていたんだと思います。

この頃は部活で毎日のように登っていたため、トレーニング量のおかげか、課題を選ぶことで3級が登れるようになっておりました。

ちなみに、6級5級4級で1年、3級が初めて登れたのは2年目後半。

伸び悩み③「つまずいた1級」

2級も、ライバルのおかげか、ジムとの相性がよかったのか、”軽さ”と”保持力”の得意を伸ばし”楽に登る”を意識していたことで、順調に登ることができるようになっていました。

しかし1級は(苦手を練習していないから)登れなく、モヤモヤが溜まっていました。

そんな時、常連さんから「岩に行こうよ」という誘い。

飛びつきました。

誘ってくれたのが、本当に嬉しかった。

初岩の御岳、岩についたら「自由に登れ」って。

テープがついている課題しか登ったことない僕には衝撃。

僕はこれで変わりましたね。

岩に連れて行って貰ったことによって

岩のほうが成果出るし…

課題いっぱいあるし。

自然の中で登るの気持ちいいし。

岩の上に立つ喜びを味わってしまいました。

この時に、一気に岩の魅力に惹かれていきました。

ジムの一級と比べ、岩の一級は遥かに登りやすかったというのが自信がつき、成長を促しました。

(昔の飛鳥一級はむずかった。今もか?いや、そんなことはない。)

初めて行った御岳で、「忍者返し(1級)」をプルプルしながら完登。

この時、忍者岩で二段とか三段をトライしている、強すぎるクライマー達を見て刺激も受けました。

”いつかあんなふうに高難度の課題をトライする日が来るのだろうか”

”忍者返しで喜んでる場合じゃない”

”忍者返しをウォーミングアップにするくらいじゃないとだめだ”

初めての岩場は刺激が溢れていました。

どの岩に行っても自分より強い人達ばかり。

”あのムーブかっこいいな”

”あの課題をやってみたい”

一気にモチベーションが爆上がりでした。

岩にいた、いかついお兄さん(激強)のファッションまで真似する始末。

この時、人工ホールド初触りから、3年。

高校生最後の冬でした。

伸び悩み④「二段で止まった」

高校卒業し、就職。

クライミングと仕事の両立をしながら、細々と登る日々が続きます。

社会人一年目は、自分の車もなかったため、ジムの常連さん達に連れて行ってもらう形で、休日に岩に行っていました。

苦手を克服しないと、登りたい課題が登れなかったため、この時より苦手の克服にも力を入れ始めました。

おかげで着実に強くはなっていて、初段、二段、とグレードが上がっていき、できる課題も増えていきました。

しかしここで、完全にグレードの断絶がおきました。

今までの6級、3級、1級と比べ物にならないほどの大きな壁。

とても三段は登れる気がしませんでした。

さらに、仕事もはじめてから2年ほど経ち、3交代勤務となり、夜に仕事にいかなければならず、一週間丸々登れない週が幾度もありました。

飲み会の頻度も増え、登りたいのに登れない…が続き、体重も増加していきます。

この時、僕はクライミングにどっぷりハマっていたので、登れないことによるストレス、仕事のストレスの板挟み。

”このまま続けていても、なんのために仕事しているのかわからない”

”もっとクライミングしたい”

そう思い始め、僕が二段というグレードで伸び悩んだ時にしたこと。

それは…

クライミングをするために仕事をやめた

(笑)

若さと熱意です。

あとほんの少しの勇気。

この時、2015年9月。クライミングを始めて5年目。

伸び悩み⑤「三段登れない」

仕事をやめると決めた時には、当時の飛鳥オーナー(ちよさん)に声をかけて貰っていましたので、自由な2ヶ月間を手に入れました。

最初の1ヶ月は日本の岩場を周り、次の1ヶ月でアメリカのヨセミテとビショップへ。

その2ヶ月間はとんでもなく濃いクライミングができました。

またやりたい〜!クライミングトリップ。

日本でのクライミングツアーは、お金はなかったですが時間はあったため、千葉から静岡、愛知、岐阜を下道で周りました。

一週間家を空け、帰ってすぐまた岩へ。

最高でした。

コンビニで車泊してたら、お巡りさんに職質を受けたのを思い出します。笑

車中泊は寒すぎて死にかけたり。

この時の旅では初段くらいをたくさん登り、地力をつけることができました。

このときもまだ、三段が登れるイメージはできていませんでした。

日本で一ヶ月登った後、次の一ヶ月はアメリカ。

アメリカのツアーでは、世界一有名な課題といわれる「Midnight Lightning(V8)」を目標とし、ほぼそれだけに捧げるつもりで行きました。

1日目は二手目も取れず悲しくなりましたが、1ヶ月という時間の猶予が登るモチベーションとなり、2日目、3日目と一手ずつ高度を上げることができるようになりました。

”これは筋トレだ。1ヶ月もあればこの課題用の筋肉つくだろう…”

そう思いながらトライを重ね、前半の1週間で無事完登。

岩に立った後、キャンプ場の方からグッジョブ!が。

その後10分ほど座り込み、岩の上からの景色を脳裏に焼き付けました。

日本の岩場巡りの成果で、今までのクライミングが報われた瞬間でした。

初めての編集。2015年かな?

この時、粘り強く打ち込むことの大切さを学びました。

筋トレだと思って取り付いていれば、いつか登れる。

一手目がとれなくて、諦めていたら登ることはできませんでした。

その後の僕は、日本に帰ったのち御岳の「虫(三段)」を目標にします。

僕が初めて御岳に行った時、「忍者返し」をトライ中、強いクライマーが登っていた「虫」。

憧れた課題。

”こんな課題登れる日が来るのか…”

そう思っていた時期があり、これをトライしようと思える日が来るなんて…

この時には「忍者返し(一級)」が”ウォーミングアップ”です。

成長を感じる瞬間でした。

吊り輪や腹筋ローラーを使った筋トレを夏から。

秋ごろから「虫」を粘り強く登り込むことで、なんとか忍者岩の上に立ちました。

少ししてから、登れたことを草野さん(初登者)に報告。

初めての三段。2016年11月。仕事をやめてから1年後でした。

伸び悩み⑥「四段というグレード」

「虫」が登れた年もアメリカに行きました。

この時は10日間という期間でしたが、V10というグレードを2本登ることができ、どんどん自信をつけていきました。

次の年の2017年。

自信がついたことで、今までに触ったけれど、できなかった課題を積極的にトライするようになりました。

自分がかっこいい、美しい。と思う課題をグレードを気にせず優先的に目標にし、打ち込みます。

「嶺の夕」「阿修羅」「インドラ」「ローカルハイボルダー(5級)」はとくに記憶に残っています。

この時から、自分のモチベーションとメンタルについて少しずつ考え始めるようになりました。

次の年。2018年。

三段を何本か登れるようになっていたので、四段のトライを開始します。

トライを開始した課題は「蟹虫」。

僕が初めて御岳に行った時には全く登れるイメージがしていなかった課題。

忍者岩には特別、思い入れがありました。

僕の成長を確認できる岩。

弱さを教えてくれる岩。

憧れの課題。

初めて忍者岩を見た時に憧れた「蟹(二段)」と「虫(三段)」を繋げる課題。

その岩の最高グレード。

この課題を登るために1年間、トレーニングに励みます。

どうしたら「蟹虫」が登れるのか、考えました。

食事について学び、チューブトレーニング、腹筋ローラー、キャンパ、長モノ。

「蟹虫」の初登動画は100回見ました。

できることはすべてやっていたつもりです。

夢にまででてくるし。

そのおかげか、11月にはリップに手が届いていました。

あと少しで登れる!という時。

忍者岩のチッピング事件。

憧れの課題が消滅。

1年間、「蟹虫」を思い続けて、ジムでも岩でも登っていました。

突然消えた目標。

衝撃は大きく、岩に行く頻度が大幅に減りました。

2019年、年始。

一年間思い続けた目標がなくなったことで、モチベーションが大きく下がっていました。

”御岳以外の”岩場にはちょこちょこ出掛け、ポツポツと成果は出しましたが、どうもモチベーションが上がらず…

これはまずい。そう思いました。

夏の間、登ることはしっかり続け、次の目標を探しました…が、思い入れのある「蟹虫」に変わる目標が見当たらず。

で、考えた結果、「次にシーズンは目標を探すために岩に行く」と決めました。

成果を焦らず、じっくりモチベーションを上げていこう。と。

目標を探すために行った神戸岩で、すぐに目標に出会えたんですけどね^^;

そして幸運なことに?努力の末に?「蟹虫」用に行なったトレーニングが、他の課題でも通用したのです。



「蟹虫」に匹敵する目標は今はないけれど、目標にすべき課題はたくさんありますし、トライ途中の課題もたくさんあることを思い出しました。

御岳、塩原、笠間、恵那、鳳来、豊田、瑞牆、小川山、ローカル。

まだまだやり残した課題はたくさんあります。

登りたい!!

自信は上達につながる

上達に必要なのは「自信」です。

あの課題が登れたからこの課題にも手が出せる。

あのホールドが持てたのだからこれくらいも持てる。

そう思えるだけでメンタルが整い、力がでます。

「あ〜なんか、難しそう…できなそう…」

そう思ってしまったらできないのです。

特に手数が多い課題は。

自信をつけたいなら、まずは登りましょう。

常にいろいろな課題に手を出して、登れない悔しさを味わってください。

手を出す課題は多ければ多いほうがいいですよ。

できるようになるのは、何年後でもOK。

岩はずっとそこにあります。

登れないと思っていた課題が登れるようになった時、「自信」がつきます。

課題だけでなく、「持てないホールドが持てるようになる」ことも自信に繋がりますし、「できないムーブができるようになる」ことも自信に繋がります。

行き詰まり対処法①気分転換

伸び悩み、行き詰まりを感じたら「気分転換」をおすすめします。

難しい課題をやっていて、心が折れる前に少し違う課題をやってみましょう。

グレードを下げても構いません。

とにかく、”もうダメだ。これ以上強くならない!”という考えに陥らないようにしましょう。

行き詰まり対処法②これは筋トレ!捨てトレ!

僕が登れない課題に出会った時によくやるのが、”これは筋トレ!”だと思いこむ。

というものです。

その日や、近々の完登は諦め、その時は筋トレとして鬼のように登りこむことで、次に繋げます。

鬼のように登りこむことで、ムーブは洗練され、必要な筋肉がつきやすくなります。

目先の完登を諦めることで、次回やその後の成果に繋げるのです。

ヨセミテにて、Midnight Lightning(V8)は、この”鬼登り”で完登しました。

行き詰まり対処法③得たいなら捨てる

伸び悩み、行き詰まりなんだよなぁ…

あの課題登りたいんだよなぁ…

そう思っているのに、毎日晩酌。

食べたいものは際限無く食べる。

そんな生活送っていませんか?

完登というご褒美や、上達や成長という甘い蜜を得るには我慢が必要なのでは?

僕は特別才能があるわけでもなく、一般的か、運動能力はやや劣る不器用な高校生。

その時は甘い青春と勉強を捨てていたおかげか、まあまあなスピードで上達していました。

今思えば、高校生の時は部活を打ち込む以外のことを行った記憶はありません。(勉強しろ!)

社会人になってからは、飲み食いや他の遊びを制限しなかったために伸び悩んでいました。

スマホゲームもしていて、クライミングに割く時間も少ない。

それでは上達しないですよね。

僕は生活の優先順位の上位を「クライミングの上達」に設定し、飲み食いを控え、スマホのゲームをアンインストールしました。

強くなるには我慢や、何かを捨てることも必要なのです。

行き詰まり対処法④続けよう。

伸び悩んだ時、モチベーションが上がらないからといって、クライミングをやめないでください。

めげずに続けてください。

ダラダラと続けず、なぜ上達しないのかを考えながら続けましょう。

上達しない理由は人それぞれです。

力が足りない、スキルが足りない、メンタルが弱い、体重が重い、寝てない、エネルギーが足りない、練習量が足りない、スラブが苦手、強傾斜が苦手、経験が足りない、怪我をしやすい。

挙げればキリがありません。

たくさんの課題に触り、敗退し、足りないものを補っていく。

そうこうしているうち、たまに登れる。

これの繰り返しです。

成長や上達は経験を重ねるごとに感じにくくなり、上達曲線は緩やかになっていきます。

長年続ければ、調子がでない期間もあるでしょう。

そこで、めげてはいけないのです。

調子がでない期間は耐える時期です。

耐えた後、また、緩やかな上達が待っています。

成長するためにまず、自分を信じてくださいね。

もう少し強くなりたい方は、ぜひこの記事も読んでみてくださいね!!

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