初心者の方がボルダリングに挑戦した後は、誰しもが筋肉痛に悩まされます。
筋肉痛が起きるということは、身体への新たな負荷が加わった成長のしるしです。
今は辛いと感じるかもしれません。
しかし、その痛みは一時的なものであり、あなたの体が強くなる過程の一部なのです。
この記事は以下の疑問をお持ちのあなたにおすすめです。
筋肉痛、いやだなぁ…
この痛みは筋肉痛かな、ケガかな…
筋肉痛を早く治す方法ないのかな?
どうやったら筋肉増えるのかな?
この記事で説明していることの多くは、筋肉痛だけでなく体の疲労にも効果のある方法です。
よって、筋肉痛を感じている方だけでなく、トレーニングを頑張ったあなたに役に立つ記事になっております。
体の回復を早めることは「ボルダリングの頻度を向上」させ、「怪我の予防」になります。
頻度の向上やケガのしない体を作ることは「モチベーションの維持」や「上達」につながり、より楽しいボルダリングが可能となるのです。
この記事を書いた人
ぶちょー(クライミング飛鳥店長)
15歳からクライミングをはじめ、現在29歳。
趣味は読書やカメラ。
【登ってきた主な課題】
最高RP 四段 5.13d フルチャージ(四段) Midnight Lightning(V8)などなど
この記事では筋肉痛について以下の順番で説明していきます。
- 筋肉痛になる3つの原因
- 筋肉痛は回復時に起こる
- 科学的に効果のある回復法5選
- ケガとの区別方法
- 効果的なトレーニング方法
筋肉痛の回復方法を早く知りたいという方はこちら⇩
ボルダリングが筋肉痛を引き起こす原因とメカニズム
ボルダリングでの筋肉痛は、筋繊維の微小な損傷とそれに続く炎症反応によって引き起こされます。
以下では、この原因とメカニズムについて詳しく説明します。
ボルダリングで起こる筋肉痛の原因
- 新しい運動と負荷
- 高強度のトレーニング
- 不十分なウォーミングアップ
ボルダリングで起こる筋肉痛の原因はいくつかあります。
まず、初心者の方ほど筋肉痛が起きやすい理由として
「新しい運動による負荷が原因」として考えられます。
ボルダリングの動きは、私たちの日常生活ではあまり使わない動きがあるため、筋肉痛になりやすいのです。
また、ボルダリングの動きの習得が難しいという点も筋肉痛を引き起こす要因となります。
ボルダリングは、特定の技術(ムーブ)や身体の使い方をマスターする必要があります。
初心者はこれらの動作を十分に習得していないため、無理な負荷をかけたり、不自然な姿勢で登ったりすることがあります。
これによって、筋肉に余分な負荷がかかり、筋肉痛が生じる可能性が高まります。
また、長時間のトレーニングや高強度の運動も筋肉痛のリスクを高める要因です。
長時間のボルダリングや高強度の運動は、筋繊維への負荷が増加し、損傷の程度が増すためです。
さらに、適切なウォームアップが欠如している場合も筋肉痛の原因となります。
十分なウォームアップを行わずにトレーニングを始めると、筋肉の柔軟性や血行が不十分な状態で負荷をかけることになります。
これによって筋肉繊維への負荷が増加し、筋肉痛の発生リスクが高まります。
このように体に負荷がかかることで筋肉痛が生じ、不快感となるのです。
ボルダリングでの筋肉痛のメカニズム
筋肉は、筋繊維と呼ばれる細長い繊維から構成されています。
これらの筋繊維は、運動をする際に収縮して力を発揮します。
しかし、非習慣的な運動や負荷を経験すると、筋肉繊維に微小な損傷が生じます。
この損傷に対して、筋肉は修復・再構築のプロセスを開始します。
修復プロセスでは、炎症反応が起こり、損傷部位には血液や栄養素が集まります。
これによって、損傷した筋肉繊維が修復されると同時に、新しい筋肉繊維が生成されます。
この修復・再構築のプロセスの中で関わっている化学物質が周囲の神経を刺激し、痛みを感じ筋肉痛を引き起こすのです。
痛みの感じ方は人によって異なりますが、一般的には筋肉がこわばったり、触れると痛みを感じたりすることがあります。
つまり、筋肉痛は、新しい運動や負荷によって筋肉に微細な傷がつき、痛くなることです。
傷ついた筋肉を治すために体は修復作業を進めますが、その修復作業の過程で痛みが出るということです。
これは、ボルダリングで新しい課題やグレードに挑戦する際に起こりやすい現象ですが、適切な準備とリカバリーを行うことで筋肉痛を軽減させることができます。
【まとめ】
これらのメカニズムと原因を理解し、ボルダリング中の筋肉痛を予防するためには、適切なウォームアップとクールダウン、負荷の適切な調整、十分な休息とリカバリーが重要です。
また、身体の状態や限界に合わせたトレーニングプランを作成することも大切です。
筋肉痛は通常、数日ほどで自然に治癒しますが、より早いリカバリー方法については次からの項目で説明していきます。
ボルダリングでの筋肉痛を早く治す方法
- ボルダリング前の軽い運動
- マッサージ
- カフェインの摂取
- 栄養摂取
- 睡眠
回復法①ボルダリング前の軽い運動
ある研究では”高強度の運動をする2日前に軽く運動をすることで、筋肉痛が軽減した”という結果が報告されています。
久しぶりにボルダリングをする場合や初めてボルダリングを行う場合、事前に最大パワーの約10%程度の負荷で軽い運動を2日前に行いましょう。
そうすることで、ボルダリングの後に感じる筋肉痛が平均40から80%も軽減され、筋肉へのダメージも3.7倍も低くなるとされています。
回復法②マッサージ
「マッサージ」にも筋肉痛を改善する効果があると発表されています。
これは「血行」を促すことで発痛物質を取り除く効果があるとされているからです。
「血行を良くしたい」「筋膜リリースがしたい」という方に、僕がオススメするのは「マッサージガン」です。
こんな方におすすめです。
- 肩こりや疲労がある方
- 整体に行くのが面倒な方
- マッサージ店に通っている方
- 時間もお金も無駄にしたくない方
整体やマッサージ店に通うのもいいですが、圧倒的にコスパがいいのがこの「マッサージガン」です。
実際僕も使っていて、即効性の効果もあります。
週に一度、整体やマッサージ店に通うより、毎日のマッサージガンが体を回復させます。
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回復法③カフェイン
カフェインは、コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれます。
研究によると、運動時に体重1kgにつき3mgのカフェインをすると、筋肉痛が大幅に軽減されるとされています。
カフェインは中枢神経を刺激するため、痛みの感じ方を一時的に抑える効果があります。
これにより、筋肉痛の感じ方が軽減されることがあります。
例えば、ボルダリングの後に筋肉痛、体重60kgの人であれば180mgのカフェインを摂取することで、筋肉痛が減される可能性があります。
ただし、カフェインの摂取には個人差がありますし、摂りすぎると眠れなくなったり、心拍数が上がったりする可能性もあります。
また、カフェインは利尿作用があるため、適度な水分補給も忘れずに行う必要があります。
総じて言えば、カフェインは筋肉痛の軽減や疲労回復に効果があるとされていますが、個人の体質や摂取量に合わせて適切に利用することが大切です。
回復法④栄養摂取
ボルダリングの筋肉痛を早く治す栄養素には、以下のものがあります。
まず、筋肉の修復と成長にはタンパク質が必要です。
トレーニング後の食事には、肉、魚、豆類、乳製品、大豆製品などのタンパク質を豊富に含む食品を摂取しましょう。
運動時の必要なタンパク質は1.5g/㎏/1日で、50㎏の方は1日に75g以上の摂取が必要です。
足りない場合はEAA(必須アミノ酸)で補うのがオススメです。
さらに、筋肉痛に伴う炎症を抑えるために、青魚、ナッツ、種実、果物、野菜などに含まれるオメガ-3脂肪酸やビタミンC、ビタミンDを摂取することも効果的です。
また、適切な水分補給も重要です。
水分不足による血行不良は発痛物質を流しにくくし、筋肉痛の回復を阻みます。
水を十分に摂ることで、筋肉痛の回復を早めるのです。
これらの方法を実践することで、筋肉痛の早期回復を促すことができます。
タンパク質の摂取により筋肉の修復や成長を支援し、炎症を抑える食品の摂取や適切な水分補給により筋肉痛の症状を軽減させましょう。
回復法⑤睡眠
睡眠の重要性は、筋肉の修復と成長が睡眠中に行われるため、十分な睡眠を確保することが大切です。
睡眠は炎症の軽減に重要な役割を果たします。
睡眠中には免疫システムが調整され、過剰な炎症反応が抑制されます。
また、睡眠はグリコーゲンの再合成や炎症を抑制するホルモンの分泌を促進し、筋肉の修復と成長を促進します。
さらに、睡眠中は筋肉がリラックスし、血流が改善されるため、炎症部位への栄養素や酸素の供給が促進されます。
したがって、適切な睡眠をとることで炎症を軽減し、怪我や筋肉痛の回復を助けることができます。
【まとめ】
筋肉痛を改善するためには「血流の促進」が大切です。
それに加え、栄養摂取や睡眠を適切に行うことで筋肉痛を軽減します。
これらのケアと回復方法は、ボルダリング中の筋肉痛を軽減し、トレーニングの効果を最大限に引き出すための重要な要素です。
参考文献
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29755363/運動後のリカバリーについてまとめられた論文
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37020441/パフォーマンスの向上と柔軟性向上、痛みの軽減を示唆した論文(2023)
- https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.abe8868 マッサージガンを使用した際の治癒効果とそのメカニズム
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30526170/ 振動は遅発性筋肉痛に効果があるか?:メタ分析と体系的レビュー
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30778759/筋トレ前の軽い運動は筋肉痛のダメージも3.7倍低下させる
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29021762/マッサージは筋肉痛を軽減させる
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27552210/カフェイン摂取により筋肉痛が10% 軽減する
- https://www.mdpi.com/2072-6643/14/23/5069筋肉損傷に効果がある栄養素
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30140739/睡眠不足が筋肉を分解することを示唆した論文
ボルダリングでの筋肉痛と怪我の区別
ボルダリング中に筋肉痛と実際の怪我を区別することは重要です。
以下では、筋肉痛と怪我の兆候について詳しく説明します。
筋肉痛は、筋肉の疲労や負荷によって引き起こされる一時的な痛みです。
新しい運動や負荷、長時間のトレーニングなどが主な原因となります。
筋肉痛は、軽度から中程度の痛みが広範囲に現れ、筋肉の緊張や違和感が感じられることがあります。
一方、怪我は組織への直接的な損傷によって引き起こされる痛みです。
事故、衝撃、ひねり、過度な負荷などが主な原因です。
怪我では、痛みが局所化し、腫れや機能の制限などの症状が現れることがあります。
つまり、筋肉痛は一時的な痛みであり、適切な休息やマッサージ、軽い運動などで回復が促されます。
一方、怪我は組織への損傷があるため、適切な医療処置やレストが必要です。
したがって、筋肉痛と怪我はその発生原因や痛みの特徴、程度が異なるため、適切な対処方法や医療的なケアが必要となります。
怪我が疑われる場合は、医師や専門家に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
ボルダリングで筋肉を成長させる適切なトレーニング
ボルダリングで筋肉を成長させるためには、正しいフォーム、適切な総負荷量、そして効果的なリカバリーが重要です。
まず、正しいフォームはボルダリングにおいて欠かせません。
適切な技術とフォームを維持することで、筋肉を最大限に活用し、ケガ無く効果的なトレーニングを行うことができます。
次に、適切な総負荷量を確保することが重要です。
総負荷量は、「課題の難度」×「登った回数」で決まりますが、これらを徐々に増やし総負荷量を上げていくことで筋肉の成長が見込めます。
補足としてボルダリングで筋トレ効果を高めたい場合、「クライムダウン」と「使う筋肉のイメージ」が大切です。
最後に、リカバリーにも十分な注意を払う必要があります。
ボルダリングは多くの筋肉を酷使する運動ですので、適切な休息とリカバリーが不可欠です。
十分な睡眠、栄養バランスのとれた食事、適度なマッサージなどを通じて、筋肉の修復と成長をサポートしましょう。
リカバリーの不足は過労や筋肉の疲労を引き起こし、パフォーマンスの低下や ケガのリスクを高める可能性があります。
以上、正しいフォーム、適切な総負荷量、リカバリーの重要性を認識し、これらの要素をバランスよく取り入れることで、ボルダリングにおいて筋肉を効果的に成長させることができます。
参考文献
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28486337/遠心性収縮は筋肥大に効果的
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29533715/マインドマッスルコネクションが筋肥大に与える影響
まとめ
ボルダリングにおける筋肉痛は、筋肉の繊維がダメージを受けることにより発生します。
初心者の方ほどボルダリングでの負荷は新規動作になるため、筋肉痛になりやすいと言えます。
筋肉痛の回復には、ボルダリング前の軽い運動、マッサージ、カフェインの摂取、栄養バランスの摂取、十分な睡眠が有効です。
筋肉を成長させるためには、正しいフォーム、適切な総負荷量、効果的なリカバリーを組み合わせることが重要です。
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