どうも。ぶちょーです。
今回は「筋稼働率」とは何か。という記事にしようと思います。
クライマーの中には、ゴリゴリ派とヒョロヒョロ派とプヨプヨ派がいます。
その中には、さらに、”見た目よりも登れる人”と”見た目通りな人”と”見た目よりも登れない”(残念な)人にわかれます。
”ゴリゴリな登れる人”と”プヨプヨしていて登れない人”と”ヒョロヒョロで登れない人”は一般的な目線でみても納得できます。
ゴリゴリしてる人が登れなく、ヒョロヒョロしてる人が登れてしまう…
そんなところを見たことありますか?
普通、筋肉量が多いほうが登れるんじゃないの?
って思いますよね…
筋肉が大きくても、使えていなければ意味ないんです。
使えない筋肉はただの重りです。
そのことを、これから書いていきたいと思います。
筋稼働率とは
「筋稼働率」とは、簡単に言ってしまえば”筋肉を使えている割合”です。
筋肉を1回の脳からの指示でどれだけ動員できるかを筋稼働率と言い、それは人によって差がある
出典:クライマーズコンディショニング 菊池敏之
力を出す時は、脊髄からでている神経線維が筋繊維につながっていて、そこを電気的な信号(インパルス)が走り、筋肉が動きます。
この神経回路をうまく使えるようになったり、筋繊維の組織を変えることで、筋動員率が上がります。
腱紡錘と呼ばれるセンサーが、力の出し過ぎによる障害を防ぐため、筋の収縮を弱める働きもしています。
これにより、実際にある筋肉の使用率は100%ではなく、70~80%に抑えられているようです。
筋稼働率を上げる
筋稼働率を上げるには、”神経回路を定着させる”ことが必要となります。
これは一朝一夕では習得できません。
”体が思うように動かない…”と思うことありますか?
これは、神経回路がうまく定着していない時です。
自分の体を自分でコントロールできている感覚になった時、が”神経回路が定着した”と言えるでしょう。
自分の体をコントロールできるようになるには、単純。
登りこめばいいのです。
何度も何度もトライすることにより、イメージと体の動きがだんだん一致していき、コントロールしている感覚がつかめるはずです。
運動神経
筋稼働率が高く、各筋肉を上手く応用できる人が”運動神経のよい人”です。
運動神経というのは、遺伝の影響を受けにくく、後からでも十分身につきます。
運動神経の良し悪しとは、中枢からの司令を正確に、またたくさんの筋肉に伝えられるかどうかということで、その発達のためには、適切な刺激、つまり「質の良さ」が、何より重要とされる。
出典:クライマーズコンディショニング 菊池敏之著 コラム・運動神経の発達より
つまり、負荷を上げたり、トレーニングの量を増やすよりも、トレーニングの質を上げたほうが上達していく。
ということですね。
運動神経がよい。ということは、筋稼働率が高く、筋肉の応用ができているということは説明しました。
それは、少ない筋肉で多くの力を出せる。ということです。
冒頭で説明した、筋肉があるのに登れない人と、なくても登れる人の違いは、”運動神経”の違いのよるものです。
慣れるということ
1つの課題を打ち込む時には慣れも物を言うことがあります。
課題に慣れることで、その課題に対しての「神経回路が定着」するからです。
慣れ、というのはムーブや、岩質などにも影響します。
例えば、いろいろな課題でヒールをかけまくれば、ヒールというムーブに慣れます。
花崗岩が苦手だと言っている人も、花崗岩で登りまくれば花崗岩に慣れていきます。
僕も岩の経験が少なかった頃、ツルツルなチャートの岩が苦手だと思っていました。
御岳ですね。
しかし、何度も何度も通っているうちにいつの間にか苦手意識はなくなっていました。
トレーニング究極理論の新井氏はこんなことを言っています。
今習得したムーブをさまざまなシチュエーションで応用的に使用するほうが、神経回路の定着率が高い。
ある課題のムーブを100%こなせるようになったら、シチュエーションを変えて同じムーブを反復する。これをバリエーショントレーニングと呼ぶ。
バリエーショントレーニング…
同じ課題の同じムーブを何回も打ち込むよりも、いろんな課題の同じムーブをやったほうがそのムーブに慣れるようです。
初心者のウエイトトレーニングは必要か
そもそもクライミングというのは、”できる限り負荷を減らして登っていくもの”です。
ウエイトトレーニングは”いかに効率的に筋肉に負荷をかけるか”が大切となります。
このことから、ウエイトトレーニングはクライミングの趣旨とは反対の行為になります。
ウエイトトレーニングが必要なのは、「クライミングを長く続けている人が、伸び悩んだ時」です。
初心者がまず、やらなければいけないことは、”筋稼働率を上げる”ことと、”登攀時の負荷を減らす”こと。
すなわち、「スキルを磨く」ことです。
クライミングの動きがまだ未熟な初心者の方々。
たくさんクライミングすることにより、動きに慣れて筋動員率が上がり、ムーブを習得することによって負荷が減ります。
新しい課題に取り付くような不慣れなことをすると、まず神経が適応しスキルが進歩することで、ムーブがこなせるようになっていく。
このスキルの上達が初心者の上達の速さそのものであり、上級者にとっても、何度もトライしているうちに徐々にムーブができていくのは、ほとんどが神経の適応である。
出典:rock&snow 27号 トレーニング究極理論より
この、神経の適応が頭打ちになると、肉体的に適応するようになるそうです。
これらのことからクライミングにおいて、初心者はスキルが伴わないトレーニングは、重りを増やしてしまうことになるため効率が悪い。
となります。
合わせて読みたい!
[ボルダリング]課題を無理やり登ってしまった時[上達の秘訣]
最近、力で登ってしまっている気がする…
という方に。
「クライマーは食事で強くなる」
神経回路ではなく、筋肉を発達させてぇ!!
という人はこっち。
参考文献
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] 本番をイメージし、何回も繰り返し最大負荷をかけることで、筋動員率を100%に近づけることができます。 […]
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