ジムで履いていたアンパラレルのアップモックのソールが限界に近づいていたため、新しいソフトシューズを探していました。
そこでちょうどMADROCKのソフトシューズ【REMORA PRO】が発売されたため「これは試してみるしかない」と感じ、即購入に踏み切りました。
REMORA PROは予想以上に革新的なギミックが搭載された、僕が求めているソフトシューズにかなり近いものでした。
- ソフトシューズを求めている人
- フック性能を求めている人
- コスパにこだわりたい人
このシューズを一言で言うと
「ソフトシューズ最高峰」
です。
当ブログは、どのメーカーともタイアップしておらず、宣伝の依頼も受けていません。そのため、忖度やしがらみのない(利益もない)フラットな視点で、正直なレビューができるのが特徴です。
「REMORA PRO HV」とはこんなシューズ
レモラプロはソフトシューズに分類され、フック性能を求めている人にはマストなシューズです。
このクオリティで税込22,000円(※発売時)という低価格でおさめているのが衝撃です。
マッドロックの技術によって独自の革新的システムが盛り盛りで、「二枚ベルクロなのにトゥフックがかかる」「ソフトシューズなのにヒールがかかる」「ヒールフックをしてもかかとが脱げない」など、従来のシューズの欠点を克服する多彩なギミックを感じます。
結果として、ボテ・スラブから強度のあるフック課題まで対応でき、ソフトシューズの可能性を大きく押し広げています。
性能と価格のバランスを重視するクライマーにとっても、非常に完成度の高い一足です。
詳しいレビューは後に記述。
シューズの特徴
公式サイトより抜粋
ノーシャンク・ソフトシューズの常識を覆す革命的な一足
レモラ プロは、私たちの20年以上にわたる改良と技術開発の集大成です。
汎用性の高い定番モデル「レモラ」をベースにしたラストを使用しており、柔らかさと力強さを兼ね備えています。
全てにおいて革新的なテクノロジーを搭載しており、確実に優位性を提供し、テクニックの向上をもたらす一足です。
<ソフトなのに力強い!>
一般的なソフトシューズはその柔軟性によりフィッティングに優れ、スメアリング性能やサーフェスの応答性は高いものの、フック系のアクションではパワーアシストが薄く、どうしても物足りない印象をお持ちではないでしょうか。レモラプロではフック系テクニックに着目し、革新的技術でそれらを強化する事に成功しました。トゥーフックによるカウンターアクションをアシストする「アッパーの素材とデザイン」を、そして確実で多彩なヒールフックを実現する唯一無二の「3Dフッキングリム」を携えたヒールカップは、ヒールアクションをサポートするギミックも導入されています。
<圧縮立体成型技術によるトゥーラバーボックス>
トゥーパッチ(=アッパーエリア)にはあらゆる材質に最高度のフリクション性能を発揮するXFラバーを採用し、コンプレッションモールディングテクノロジー(圧縮立体成型技術)により各部の厚みや張力を計算してトゥーボックスがデザインされています。また、ラバー表面にデザインされた「パワーアッパーテクスチャー」は更なるフリクション性能を生み出し、立体成型ならではの左右の「ナックルバンプ」が攻撃的なトゥーフックをアシストします。アッパーにはフッキングアクションをブーストする「ナックルバンプ」がデザインされており、甲の辺りに内蔵されている「コンフォートディスク」と共に、思い切ったカウンターアクションを繰り出した時にも安心できる快適性を提供します。
<ソール側の特長>
ソール側は適度な硬度と耐久性を持つサイエンスフリクションラバー3.0を採用。ラバー表面にデザインされた「パワーアッパーテクスチャー」によるフリクション性能の強化とともに、ノーシャンクなので柔軟に屈曲し、スメアリングのしやすさとスタンス表面の感覚の応答性を高い次元で提供します。また、小型の1.8mm芯材が親指の縁にのみ内蔵されており、ジブや極小エッジのスタンスの乗り込みも可能となっています。
<ソフトシューズの限界を引き上げる3Dフッキングリムヒール>
レモラプロでは新たに開発されたヒールボックスを搭載しました。圧縮立体成型技術によって一体に造られたラバーボックスは、一般的なラバーシートの重ね貼りによる違和感や剥がれのリスクは皆無!エルゴノミクスを導入したデザインでより実際の踵の形に近付けて成型しており、フィット感も向上させました。さらに、シューズの中で踵がズレたり脱げてしまうのを防止する「ヒールロック」パッチをアキレス腱の左右に内蔵しています。トゥーボックス同様にラバー表面には「パワーアッパーテクスチャー」を導入し、フリクション性能を押し上げています。 アスリートによるテストと修正を繰り返して開発されたこのヒールボックスは、途切れのないスメアリングを行うスムージング箇所に加えマッドロックらしいフッキングリム(=フックするための凸デザイン)を異なる2つのアングルで備えています。この装備により、スメアリングからフッキングアクションまでマルチな動作とアングルによる多様なヒールアクションを実現させます。
<より適切なフィッティングの為にしていること>
レモラプロはワンストラップデザインですが、もうひとつ「テンションラップ」を備えています。土踏まずの前半と甲の周りを広範囲に調整可能な面ファスナーによる調整システムで、効果的かつ簡単にシューズの心臓部である”土踏まず~中足部”のフィットを調整できます。 また、土踏まずのフィットを掌るテンションラバーによる”アーチフレックス”の代わりに、拡張されたトゥーカップラバーの後半部分が土踏まずに沿ってせり上がるデザインを採用しており、ストラップを締めることで剛性のあるラバー素材によって自動的に土踏まずに引き寄せられる構造になっています。もちろん踵側は従来通り、アキレス腱周りを覆う”テンションラバー”によって引き寄せられ、ヒールカップを脱げにくく踵に固定する様設計されており、足全体がより快適に、よりタイトにフィットします。
<更なる快適性とビーガンフレンドリー>
内張りの素材に抗菌防臭素材が組み込まれています。廃棄素材を大幅に削減し、生産に関わるエネルギー消費も大胆に抑えることが出来る「コンプレッションモールディングテクノロジー」によるラバーパーツを採用しており、環境に配慮した製品となっています。また、皮革などの動物性素材も使用していないビーガンフレンドリーなシューズとなっています。
<どんなクライマーに向いているの?>
インドアジムのスラブやボテの乗り込み、コーディネーション課題などにも優れた性能を発揮しますので、コンペティターから中級者、ビギナー、年齢性別を問わず履いて頂けます。全体にソフトな特性で広く調整が可能ですので、足型を問わずフィットし、女性やユース世代の着用にも適しています。ハイボリュームバージョンは、日本人の足型にも適応し、老若男女、ビギナーからエキスパートまでセレクトいただけます。
▼スペック詳細
・硬さ:ソフト
・アッパー素材:Syn Flex
・フィックス:ベルクロシングルストラップ&テンションラップ・タン素材:3Dメッシュ・フットベッド素材:Rima
・ソールラバー:Science Friction 3.0・トゥーパッチラバー:Xtreme Friction・ヒール&ランドラバー:Science Friction R2
・ミッドソール(シャンク):1.8mm "Scallop" Compressed Polyester(立体コンケーブ構造)
・ダウントゥー:フラット・ターンイン:マイルド・ビーガンフレンドリー・その他装備:Compression Molded Toe Box, 3D Hooking Heel Rim patent pending, Heel Lock, Comfort Disk, Knuckle Bumps, Power Upper Texture, Tension Wrap, Concave Sole, Arch Flex System
▼使用アスリート&プロクライマー・イーサン-プリングル:アメリカ 外岩プロクライマー・サム-アベズー:WCフランス代表プロコンペティター(オリンピアン)・ショーナ-コクシ―:WC元イギリス代表プロクライマー(オリンピアン)・藤井快:WC元日本代表プロコンペティター(WC世界選手権大会入賞多数) ・アダム-シャハ―:WCアメリカ代表プロクライマー
- サイエンスフリクション3.0ラバー初期のマドロック・ラバーフォーミュラの発売から数年後に開発された新しいサイエンスフリクション3.0コンパウンドは、マッドロック・ブランドにとって特別なマイルストーンとなりました。米国での徹底的な研究と新しい製造工程を経て、この新しいフォーミュラは、これまでのラバー性能とは明らかに異なる特性を持っています。サイエンスフリクション3.0は、これまでのどのコンパウンドよりも耐久性に優れ、様々な環境においても高いフリクション性能を実現しています。この最適なバランスは、新しい配合により高められたコンパウンドの引き裂き強度と形状記憶力を高めることでした。そのユニークな特性と比類のないパフォーマンスにより得られるメリットは、各シューズ全体の性能を引き上げています。新しいサイエンスフリクション3.0ラバーは、シンプルなソールラバーだけでなく、立体成型によるフッキングヒールカップや3Dコンケーブソールなどのシューズコンポーネントや、すべてのロックシューズのパーツに使用されています。
- 3Dヒールカップ史上最高のフッキングヒールの登場です。
世界中のアスリートチームの協力を得て、私たちは、これまでのどのヒールデザインよりも優れたフック、スメア、ジャム、ロッキングを可能にするヒールカップを設計しました。
新しい立体成形ヒールカップは、フィット感を向上させ踵をフィックスさせる能力の強化だけでなく、表面に溝を設けることで、ヒールがサーフェスからスリップすることを防ぎエッジングする事さえ可能にし、クライミング技術の幅を広げることに成功しました。
他の機能と同様に、私たちは妥協のない素材を使用し、革新的なデザイン設計に挑戦する事で、クライミンググレードに関わらずクライマーの可能性を広げるシューズを提供し続けています。 - 3Dトゥーカップ立体成型技術(モールディングテクノロジー)によりデザインされたトゥーカップ。ソール、ランド(側面)、アッパー(上部)の全てを一体化し、よりスムースな立体デザインにすることで、連続したスメアリングフットワークを実現し、パワーロスをなくします。また、ソールとランドに継ぎ目がないことから、ラバーの剥がれを無くし高い耐久性を持ちます。コンケーブミッドソールと併せることで、よりアグレッシブなダウントゥーを形成し、繊細なエッジングやパワフルなかき込み動作をアシストします。
\シューズの臭いが気になる方にオススメ!/
実際に自分が履いてみたレビュー
この記事を書いた人
ぶちょー(クライミング飛鳥店長)
15歳からクライミングをはじめ、現在30歳。
趣味は読書やカメラ。
【登ってきた主な課題】
最高RP 四段+(V13) 5.13d
ハイドラ(四段+) フルチャージ(四段) Ammagamma (V13)Midnight Lightning(V8)などなど
リキッドフィンガー 5.13d

- ミウラー EUR38 裸足ジャスト 10年以上愛用
- コブラ
- パイソン
- フューチュラ
- ソリューション EUR39
- インスティンクトVS EUR40 ジャスト
- フューリアS EU40 ジャスト 5年以上愛用
- アグロ US8 ジャスト 5年以上愛用
- フリーレンジプロ US8.5 ゆとりあり
- VXI US9 ゆとり大
- JET7
- フラッグシップLV US8 きつめ
- VIM US8.5
- レグルスLV US8.5 ジャスト
- スープアップ US8.5 ゆとりあり
- アップモックUS7 ジャスト 2年愛用
- シャーマンプロ US8.5
- ゼニストプロ US9 靴下
- STAY US8 靴下ジャスト
- DRONE2.0LV US8 靴下
- DRONE CS US8.5 靴下
- D2.ONE US8 靴下
- SHARKⅢ US8 靴下
- REDLINESTRAP US8.5 靴下
- UP⁻FLOAT US8 靴下
- REMORA PRO HV US8.5 靴下ちょい攻め
僕の足形は、わりと細身で甲が低い足形をしています。
体重は58㎏です。
靴下を履かない場合、ハーフサイズ下げます。
ファーストインプレッション

ファーストインプレッションとしてまず感じたのは、足の甲全体をラバーが覆うデザインは僕の好みです。
シューズ自体は軽量で、ソフトシューズらしさを感じます。
甲までラバーがあるにもかかわらず、足入れがスムーズで、二枚ベルクロによって甲の中央も締め付けが可能で、フィット感は非常に良好です。
フィット感・快適さ

幅や甲高への対応については、二枚ベルクロ機構のおかげで甲高の足には合わせやすい印象です。
一方で、ラスト自体はややタイトに感じられ、幅広の足型だと窮屈に感じる可能性があります。
しかし、シューズがソフトに仕上げられているため、足形の許容範囲は広そうです。
痛みや圧迫に関しては、僕の場合、人差し指がシューズ内で当たりやすく、そこが一番気になるポイントでした。
長時間使用すると、全体としては攻めたフィット感で履いていますが、この人差し指の圧迫がもう少し緩和されれば、時間を気にせず履き続けられる快適さがあると感じました。
フリクション性能
スメアの感覚については、ボテやスラブで特に好印象でした。
ソールがソフトで薄いため、足裏で面を捉えている感覚がはっきり伝わってきます。
サイエンスフリクションラバーの影響か、かなり止まる感覚が強く感じました。
柔らかさを活かして面に吸い付くように使える点は、このシューズの大きな強みだと感じました。
エッジング性能
小さいフットホールドへの立ち込みについては、正直なところ得意な部類ではないと感じました。
極小ホールドでは、立ち込もうとするとつま先に痛みが出やすく、ソフトシューズらしい限界をはっきり感じます。
足先の剛性や形状についても、先端にシャンク的な芯材が入っているとのことですが、体感としてはかなり控えめです。
その分、掻きこみではシューズの主張が少なく、柔らかさとほぼフラットな形状によって、自分の足使いがダイレクトに反映されます。
さらに、強傾斜の小さいホールドは捉えやすく、かなり好印象です。
シューズのもともとの形状が補助的に働いている印象はありましたが、基本的には自らの技術が試されるシューズだと感じました。
トゥフック・ヒールフック
トゥフックの効きと柔軟性については、まさにソフトシューズの良さがそのまま活きている印象です。
トゥがかかる甲の部分にパッドがあり、痛みなくトゥフックできるのも大きなポイントです。
ヒールカップは形状に明確な特徴があり、ヒールフックをかける位置に配置された小さな突起が、エッジング気味のヒールでよく効きます。

フック時の安心感についても不満はなく、アキレス腱の左右に内蔵された「ヒールロック」パッチのおかげで、脱げる気がしないと感じました。
この機構のおかげでズレもなく、高精度でヒールフックがかかります。
DRONEシリーズのヒールに比べるとエッジングヒールの性能は劣る印象です。

他のメーカーもこの機構、取り入れて欲しい…
まとめ
総合的に見て、レモラプロはソフトシューズの完成度を大きく引き上げたモデルだと感じました。
特に印象的なのは、ソフトシューズでありながらヒールに剛性があり、この点に関してはソフトシューズの中でもトップクラスだということです。
加えて、アキレス腱付近に配置されたヒールロックパッチは、ヒールがズレたり脱げたりする不安をほぼ消してくれる革新的な仕組みだと思います。
フィット感の面では二枚ベルクロ構造が非常に優秀で、甲全体をラバーで覆いながらも高い調整幅を確保しています。
従来の二枚ベルクロにありがちな「トゥラバーの範囲が狭くなり、トゥフック性能が落ちる」という欠点をしっかり克服しており、ここはレモラプロの大きな強みとして強調したいポイントです。
一方で、僕の理想にさらに近づけるとしたら、トゥソール先端にもう少し硬さのあるシャンクを入れてほしいこと、そしてヒールの剛性をさらに高めてほしいという点です。
それでもなお、ソフトシューズの枠組みの中で、この金額でこの完成度を実現している点は高く評価できる一足だと思います。
こんな人におすすめ
| カテゴリー | 該当 | 該当タイプの特徴例 |
|---|---|---|
| 使用シーン | ジムメイン | |
| 外岩で使いたい | ||
| 両方で使える万能型 | ||
| おすすめ傾斜 | 緩傾斜に強い(スラブ垂壁) | |
| 強傾斜に強い | ||
| レベル別 | 初心者向け(履き心地重視) | |
| 中級者向け(技術に応える設計) | ||
| 上級者向け(高性能特化) | ||
| 足型との相性 | 幅広・甲高の人におすすめ | |
| 細身・低めの足型向け | ||
| 標準的な足型向け | ||
| シューズタイプ | スリッパ(脱ぎ履き簡単) | |
| 一本ベルクロ(ある程度の密着) | ||
| 二本ベルクロ(先端の剛性) | ||
| レースアップ(フィット感重視) | ||
| 足入れのしやすさ | 1or2枚舌で脱ぎ履きしやすい | |
| ストレッチ素材でスムーズに履ける | ||
| コスパ | 安い | |
| 性能の割に価格が安い | ||
| ハイスペックに見合った価格 | ||
| 軽さ | 軽量で足さばきがしやすい | |
| 適度な重さで安定感あり | ||
| ラバーの特徴 | フリクション重視(スラブ・ボテに強い) | |
| エッジング重視(小さなホールドに強い) | ||
| バランスがとれたシューズ | ||
| ムーブへの適性 | ヒールがしやすい | |
| トゥフックがしやすい | ||
| 掻き込みが得意 | ||
| スメアしやすい | ||
| 履き替えスタイル | 1足でなんでもこなしたい人向け | |
| 使い分けたい人向け | ||
| 長時間使用 | 長時間履いても快適な設計 | |
| 短時間集中型・勝負用 | ||
| デザインの好み | シンプル/目立ちすぎない | |
| カラーリング重視・個性派 | ||
| 環境への配慮 | サステナブル素材や製法にこだわりたい方 | |
| 耐久性 | 剥がれにくく型崩れしにくい構造 |



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