今回MADROCKのDRONE(ドローン)CS HVを試し履きしてみたのでレビューをしていきます。
- 万能シューズが欲しい
- ある程度耐久力が欲しい
- エッジにヒールをかけたい
このシューズを一言で言うと
「ヒール性能特化型ハイエンドシューズ」です。


ドローンのコンペモデル「DRONE CS」とは?

MADROCKの人気シリーズ「DRONE(ドローン)」におけるハイエンド・コンペティションモデルが、このDRONE CS(ドローン コンペシリーズ)です。
最新のクライミング事情に対応すべく、ジムのボリューム課題やコンペ系の多様なムーブに適応するよう、設計とラバー性能が徹底的にブラッシュアップされています。
特徴的なのは、ヒールからトゥに至るまで3D立体成型ラバーです。
DRONE CSの特長と性能
公式サイトより抜粋
究極のフリクション性能を持つXFラバーと世界初の3Dフルコンポジットとを組み合わせた新世代のスペシャルシューズ
先ず目を引くのが「コンプレッション・モールディングテクノロジー」と呼ばれる金型成型により造られた足型そのままを立体的に再現したラバーパーツ。これまでヒールカップや一部アイテムに導入していたテクノロジーを遂にトゥーにも採用し、シューズのラバー部分全てを立体パーツで構成するに至りました。これにより、以下のメリットを享受する事が可能となりました。
①より足の形に添ったフィットが実現
②ソールとランドが剥がれるといったトラブルが存在しない
③耐久性の大幅な向上
④ラバーシートの重ね合わせで発生した凹凸による履いた時の不快感の払拭
⑤容易にノーエッジデザインを導入することが出来る
⑥ラバーの厚みを調整する事でエリアごとにラバーの伸縮度合(テンション)をデザイン出来る
⑦環境に悪影響を及ぼす恐れのある石油由来であるラバーおよび接着剤を大幅に削減できる
⑧製造工程(時間)が大幅に短縮されるため製造に伴う消費エネルギーを削減できる
⑨ドローン・コンペシリーズにおいては特別に、トゥーとヒール全てにモールディングラバー・パーツを採用する事で実現した、マッドロック史上最高度のフリクション性能『XFラバー』を搭載することに成功しました。XFラバーは、現代的なスポーツクライミングに要求されるマクロや木ボテの立ちこみやシークエンス動作に対応したハイレベルなフリクション性能を研究して開発したスペシャルラバーです。非常に粘度が高く、通常のシート状になったラバーを接着して重ね合わせたシューズのつくりでは使用することが不可能な特殊な素材で、コンプレッション・モールドテクノロジーならではの採用となっています。
◎コンケーブソール&3Dミッドソール
ドローン・コンぺシリーズでは、マッドロックのパテントの一つである凹型の立体形状をしたソール構造(3Dコンケーブソール)にプラスして、内部のミッドソール(シャンク)も足裏に沿った立体形状を採用しています。足を入れただけで、足裏にソールが吸い付いてくるような密着した履き心地を得られます。エッジングやスメアリングの繊細なフットワークで要求される精密な感覚をアシストします。
ドローン・コンペシリーズは、普段のジムでのボルダリングはもちろん、コンペティションでの使用や、外岩でのクライミングなど、シチュエーション、岩質、用途を問わず様々なシーンで使って頂けます!
動画の要約
1. Droneシリーズは多様な性能モデルを展開
Mad RockのDroneシリーズは、同一のフィット感を保ちながらも、異なる硬さ、ラバー、トゥ形状を持つ複数のモデル(Drone 2、Drone CS、D2.ONE)を用意し、クライマーの多様なニーズ(エッジング、トーフック、柔軟性重視など)に対応している。
2. 各モデルの特徴
- Drone 2:最も剛性が高く、エッジングに強く、最もアグレッシブな形状。
- Drone CS:柔らかいラバーと薄めの構造で、競技向けの繊細なフィット感と柔軟性。
- D2.ONE:CSと2のハイブリッドで、快適性とパフォーマンスのバランスが良く、最新モデル。
3. ミッドソールとラバーの違い
モデルごとに異なる素材と構造のミッドソール(ポリカーボネート、圧縮ポリエステルなど)を採用し、エッジング性能や柔軟性に差を持たせている。ラバーは「Science Friction」と「XF」の2種を組み合わせて使うモデルもある。
4. HV(ハイボリューム)・LV(ローボリューム)展開で幅広い足型に対応
すべてのDroneモデルにHV(幅広)とLV(幅狭)の2種類があり、ユーザーは自分の足型に合わせて選べる。特にLVモデルは市場でもトップクラスに狭めの設計。
\シューズの臭いが気になる方にオススメ!/
実際に私がDRONE CS HVを履いてみたレビュー
この記事を書いた人
ぶちょー(クライミング飛鳥店長)
15歳からクライミングをはじめ、現在30歳。
趣味は読書やカメラ。
【登ってきた主な課題】
最高RP 四段+(V13) 5.13d
ハイドラ(四段+) フルチャージ(四段) Ammagamma (V13)Midnight Lightning(V8)などなど
リキッドフィンガー 5.13d

- ミウラー EUR38 裸足ジャスト 10年以上愛用
- コブラ
- パイソン
- フューチュラ
- ソリューション EUR39
- インスティンクトVS EUR40 ジャスト
- フューリアS EU40 ジャスト 5年以上愛用
- アグロ US8 ジャスト 5年以上愛用
- フリーレンジプロ US8.5 ゆとりあり
- VXI US9 ゆとり大
- JET7
- フラッグシップLV US8 きつめ
- VIM US8.5
- レグルスLV US8.5 ジャスト
- スープアップ US8.5 ゆとりあり
- アップモックUS7 ジャスト 1年愛用
- シャーマンプロ US8.5
- ゼニストプロ US9 靴下
- STAY US8 靴下ジャスト
- DRONE2.0LV US8 靴下
- DRONE CS US8.5 靴下
- D2.ONE US8 靴下
- SHARKⅢ US8
- UP⁻FLOAT US8 靴下
僕の足形は、わりと細身で甲が低い足形をしています。
体重は58㎏です。
靴下を履かない場合、ハーフサイズ下げます。
ファーストインプレッション
まず見た目の印象ですが、白を基調としたクリーンなデザインがとてもスタイリッシュで、ジムでも目を引く存在感があります。
足入れに関しては、DRONE 2.0よりもスムーズでフィット感も向上している印象でした。
他のDRONEシリーズよりもダウントゥを感じます。
実際に登ってみた第一印象としては、特に違和感はなく登れました。
感覚としては、リソール後のソリューションに近い柔らかさと足裏感覚があり、フリクション性能も申し分なし。
フィット感・快適さ
DRONEシリーズ全体に言えることですが、足型はややタイトめの作りで、幅広・甲高の方にはやや履きにくい印象があります。
とはいえ、足幅が標準~やや細めの方にはしっかりとフィットしやすく、動きの中でもズレを感じにくい安心感があります。
つま先やかかとに特別な痛みや圧迫は感じず、履き心地は快適でした。
ただ、少し攻めたサイズを選ぶと、立ち込み時にアキレス腱付近に圧迫感を感じることがありました。
フィット感を優先するなら、履き比べて微調整するのがおすすめです。
長時間のセッションでもラスト(足型)が合っているため、サイズ選びさえ間違えなければ快適に履き続けられる一足だと感じました。
フリクション性能
XFラバーの恩恵か、かなり粘る印象。
木ボテやスラブ系のスメアでは、足裏が「ピタッ」と止まってくれる感じがあり、安心感が強いです。
ソール自体はやや柔らかめなので、足裏全体がホールドにしっかり馴染むような感覚があります。
岩場でも十分使えそうなポテンシャルは感じましたが、**その分ラバーの摩耗はちょっと早いかも?**という印象も。
とはいえ、これはまだ使い込んでいない段階での感想なので、耐久性については今後の使用で判断していきたいところです。
エッジング性能
他のDRONEシリーズと比べても、とにかく掻き込みやすい。
つま先の形状がエッジに自然に入り込んでくれる感じで、「お、ここ立てるな」って瞬間が増えました。
特に印象的だったのが、シャンクの形状と土踏まずあたりの絶妙な柔らかさ。
この組み合わせが、足裏全体でしっかり力を伝えてくれて、粒系の立ち込みに安心感があります。
シリーズ内で粒に一番乗れるのは間違いなくこれ。
自分の中では。
攻めたシューズの扱いに慣れている人には、間違いなくフィットするはずです。
トゥフック・ヒールフック
トゥフックについては、柔らかいシューズと比べると若干劣る印象はありますが、それでもしっかり効いてくれます。
これは、おそらくトゥパッチの配置とラバーの性能によるもので、しっかりとホールドに引っかかってくれる感覚があります。
ヒールは、まさにこのシューズの強み。
カチッとハマるエッジの引っかかり方が抜群で、ヒールフック時に一切の不安を感じさせません。
ヒールカップの剛性も高く、しっかり踏ん張れる安定感があります。
足形との相性も良く、フック中にズレたり浮いたりする感覚はありませんでした。
トゥもヒールも、全体として非常に高水準な仕上がりです。
ソール・シャンクの剛性
全体的な硬さは「中間」くらいの絶妙なバランス感。
柔らかすぎて踏ん張りが効かないこともなく、硬すぎてはじかれる感じもない、ちょうどいい剛性です。
シャンクがしっかり入っているぶん、足裏感覚はやや抑えめで、最初はホールドの形状を捉えにくいかもしれません。
ただ、足に馴染んでくると安定感がぐっと増してきそうな予感。
今回はレンタルでの使用だったので、この点はまだ「保留」ですが、履き込み次第で印象が大きく変わるタイプのシューズだと思います。
他のDRONEシリーズと比べて
D2.ONEとDRONE2.0に共通して言えることは、「掻きこみ感の物足りなさ」です。
両者とも足指付近の形状が割とフラットになっているため、今までのシューズとは踏み方に誤差が生まれ、立ちこみ力、掻きこみ力に少し不満がありました。
この点、DRONE CSはしっかり掻きこむ形状になっているため力が入りやすく感じました。
DRONEシリーズはどれもある程度剛性があり、エッジングが高性能です。
その中でもD2.ONEは「面踏み」に強く、DRONE2.0は「長時間のエッジング」に強く、DRONE CSは「掻きこみ、立ちこみ」に強い印象です。
リソールできる業者が少ないのが残念
調べると「ナカダ商会」さんがリソールを受け付けているようです。
ナカダ商会 https://www.shoes-doctor.com/repair/?id=1706918793-350629&ca=7
まとめ
DRONE CSは、標準〜細めの足型にフィットしやすく、快適な履き心地と高い安定感が魅力です。
次にMADROCKのシューズを買うとしたらこのシューズにします。
XFラバーによる優れたフリクション性能で、ジムや岩場でも安心して使えそうですが、耐久性はやや未知数。
エッジング性能はシリーズ内でもトップクラスで、特に掻き込みや粒への立ち込みがしやすい構造。
ヒールは抜群の安定感とフィット感があり、トゥもラバーの効きでしっかり使えます。
剛性は中間でバランスが良く、履き込むほどにポテンシャルを発揮するシューズです。
このシューズがおすすめの人
カテゴリー | 該当 | 該当タイプの特徴例 |
---|---|---|
使用シーン | ジムメイン | |
外岩で使いたい | ||
両方で使える万能型 | ||
レベル別 | 初心者向け(履き心地重視) | |
中級者向け(技術に応える設計) | ||
上級者向け(高性能特化) | ||
足型との相性 | 幅広・甲高の人におすすめ | |
細身・低めの足型向け | ||
標準的な足型向け | ||
シューズタイプ | スリッパ(脱ぎ履き簡単) | |
一本ベルクロ(ある程度の密着) | ||
二本ベルクロ(先端の剛性) | ||
レースアップ(フィット感重視) | ||
足入れのしやすさ | 1or2枚舌で脱ぎ履きしやすい | |
ストレッチ素材でスムーズに履ける | ||
コスパ | 安い | |
性能の割に価格が安い | ||
ハイスペックに見合った価格 | ||
軽さ | 軽量で足さばきがしやすい | |
適度な重さで安定感あり | ||
ラバーの特徴 | フリクション重視(スラブ・ボテに強い) | |
エッジング重視(小さなホールドに強い) | ||
バランスがとれたシューズ | ||
ムーブへの適性 | ヒールがしやすい | |
トゥフックがしやすい | ||
掻き込みが得意 | ||
スメアしやすい | ||
履き替えスタイル | 1足でなんでもこなしたい人向け | |
使い分けたい人向け | ||
長時間使用 | 長時間履いても快適な設計 | |
短時間集中型・勝負用 | ||
デザインの好み | シンプル/目立ちすぎない | |
カラーリング重視・個性派 | ||
環境への配慮 | サステナブル素材や製法にこだわりたい方 | |
耐久性 | 剥がれにくく型崩れしにくい構造 |
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