この記事では2024年5月1日発売のSoiLL「STAY」の情報を記載しています。
このシューズは一言で言うと「超快適ハイエンドソフトシューズ」です。
軽いシューズが欲しいな・・・
他のソフトシューズは足に合わない…
快適だけどパフォーマンスの高いシューズが欲しい…
これらの悩みを抱えている方やハイエンドのソフトシューズを探している方は、試して欲しい一足になります。
ぜひ、この記事を参考にしてみて下さいね。
\前置きはいいからレビュー見せて!という方はこちら/
この記事を書いた人
ぶちょー(クライミング飛鳥店長)
15歳からクライミングをはじめ、現在29歳。
趣味は読書やカメラ。
【登ってきた主な課題】
最高RP 四段 5.13d フルチャージ(四段) Midnight Lightning(V8)などなど
SoiLL【STAY】
※公式サイトより引用
柔軟性: 非常にソフト
アッパー: 裏地なし、耐久性と快適なビーガンマイクロスエード
ミッドソール: 独自のプレスファイバーボード
アウトソール: スプリット
ラバー: Vibram XS GRIP
ラバーの厚さ: 3mm アウトソール
エントリー: アッパーにシングルナイロンプルタブ付きの伸縮性のある + かかとにデュアルナイロンプルタブイージーオン + オフ
クロージャー: シングルストラップフック + ループクロージャシステム
重量: 7.7oz/220g
ジェ・ジョンの専門知識とフレッド・ニコルとの協議により、全く新しいハンドシェイプのダウンターンラストをベースに構築されたSTAYは、耐久性があり快適な裏地のないビーガンマイクロスエードのアッパーを特徴とし、パフォーマンスの高いシングルストラップクロージャとDリングの統合を備えています。超精密なフィット感。スプリットアウトソールには、耐久性を高める高性能 Vibram XS GRIP ラバーが装備されており、あらゆるフッキングのニーズに対応するつま先のラバーをたっぷりとカバーしています。この薄いゴムシューは、スラブに汚れを塗るときに感度が高く、(ゴムの)接触面が大きくなります。 STAY は非常に柔らかく、通常のボリュームのシューズで、垂直ルートやオーバーハングのルート、ボリュームのあるタイプのクライミング、屋内競技用のクライミングに最適で、小さなエッジングやスラブにも十分なサポートを提供します。このシューズはユニセックスで、屋内と屋外の両方のクライミング用に開発されました。
https://soillholds.com/products/stay
SoiLL【STAY】の口コミ
ルートセッターの堀創氏がレビューしています。
「今まで履いてきた靴の中でマジでNo1です。マジで。」と言わせるほどの完成度。
SoiLL【STAY】のレビュー
箱が既におしゃれ…
- 手に取った感覚
- 足入れ
- ヒールフック性能
- トゥフック性能
- エッジングやスメアリング性能
- 残念なところ
- ミウラー EUR38 ジャスト 裸足
- コブラ
- パイソン
- フューチュラ
- ソリューション EUR39
- インスティンクトVS EUR40 ジャスト
- フューリアS EU40 ジャスト
- アグロ US8 ジャスト
- フリーレンジプロ US8.5 ゆとりあり
- VXI US9 ゆとり大
- JET7
- フラッグシップLV US8 きつめ
- VIM US8.5
- レグルスLV US8.5 ジャスト
- スープアップ US8.5 ゆとりあり
- アップモックUS7 ジャスト
- シャーマンプロ US8.5
- ゼニストプロ US9 靴下
- STAY US8 靴下ジャスト
僕の足形は、わりと細身で甲が低い足形をしています。体重は58㎏です。
※以下のレビューはまだ履いて3日目のレビューでございます。数週間履いてみてまた追記します。
※足の甲が低く、幅が狭い(ほぼ平均値の)僕の評価です。
手に取った感覚
まず、STAYは手に取った瞬間、その軽さに驚きました。
現行発売されているシューズの中でも、かなり軽い部類に入ります。
また、デザインも洗練されており、シンプルで特徴的な外観は個人的にはかなり好み。
マイクロスエードの素材を使用したアッパーは肌触りがよく、シューズから優しさを感じます。
ソールはヒール部分とつま先のソールが分かれている、セパレートタイプになっており、土踏まず部分がかなり柔らかくなっています。
足入れ
シューズの入り口は、いわゆるスリップオンと同じ形状で足の入れ感はまあまあといった感じです。
スルッとは入らないですが、シューズ自体が柔らかいため、特にストレスはかかりません。
足の甲が高い方は結構大変かもしれないです。
SoiLLのニューゼロプロと比べると、足入れはかなり改善されています。
柔らかシューズ代表格、アンパラレルのスープアップとSTAYを比べると、足入れに関してはやはりセパレートになっているスープアップに軍配が上がります。
足を入れてみるとつま先から甲にかけて「抜群のフィット感」を感じました。
あれ?僕の足形を参考に作った?と思うくらい…
さらに驚くべきことに、つま先から踵までしっかりテンションがかかっているのに痛くない。
とても快適なシューズです。
しかし、僕の場合かかと下側、ヒールカップの下の部分がほんの少しだけ余っていて、ベルクロをきつく締める必要があります。
ベルクロをきつく締めるのを続けると、金具にあたっている部分が切れそうです。
ヒールフック性能
ソフトシューズはヒールフックの性能が落ちてしまう傾向にありますが、このシューズはヒールフック性能を落とさずに完全に両立しています。
ヒールカップにそれほど剛性はありませんが、かかとや土踏まずのフィット感によって、ストレスなくヒールフックをかけることができます。
ベルクロとスリングショットの作りが良く、ラスト(型)のバランスがちょうど良いと感じました。
ソフトシューズなのにヒールフック性能をここまで仕上げているソフトシューズはまだ履いたことがありません。
アンパラレルのスープアップのヒールカップは、僕には余っていてズレる感覚が大きかったのですが、STAYにズレはほとんどありませんでした。
どのシューズもそうですがシューズを正確に履いたうえで、ベルクロをきつく締めるとヒールのズレ幅が小さくなりシビアなヒールにもある程度対応できるようになります。
ただ、ベルクロをぎちぎちに締めるのを続けるとベルクロの摩耗が早いので、シビアなヒールフックをしなければいけない時にだけ僕はきつめに締めます。
トゥフック性能
ソフトシューズなだけあって自由度が高く、トゥフックはかけやすいと感じました。
しかし、トゥフックのフリクションに関しては「物足りなさ」を感じます。
トゥフックをかける時に大事なのは、甲の反りやすさとソールのフリクションです。
ダウントゥをしていたり、硬いシューズだと反りがいまいちですが、ソフトシューズはしっかり反らせてくれます。
その「甲の反りやすさ」がトゥフックのかけやすさに直結しています。
ソフトシューズ代表、VXIのトゥーフックは最高のかけやすさだったのは、僕の記憶に刻まれています。
STAYもかなりソフト仕様なので甲が反りやすく、トゥフックがかかりやすいです。
かかりやすいですが、かけた後の「フリクション」面に物足りなさを感じました。
フリクションの物足りなさを感じた理由は二つあります。
第1に「ラバーの面積」、第2に「ラバーの性能」です。
僕はトゥフックをけっこう・・・いや、かなりの頻度で多用しています。
トゥフックをかける際はできるだけ接地面積が大きい方がよくかかると感じていて、親指の甲側だけでなく小指側(アウトサイド)の甲までラバーが欲しかったです。
次にラバーの性能に関してですが、現在はアンパラレルのアップモックをラバーコートした改造シューズを半年ほど使っていて、これを新品STAYと比べてみました。
トゥフックのフリクションは完全にアップモックのラバーコートの方に軍配が上がっています。
一部のラバーは、ある程度使うとフリクションが良くなる性質がありますので、もう少しSTAY使いこんでから使用感をまた追記したいと思います。
※このレビューはまだ履いて3日目のレビューでございます。
エッジングやスメアリング性能
スメアリング性能については言わずもがな、それなりの性能を発揮してくれます。
ビブラムXSgripはあまり履いたことがありませんのでまだ信用性がなく、思い切って踏み込めないのが現状です。
この点においても数週間後に追記いたします。
エッジングについてですが、つま先にミッドソール(フィッシャーフックミッドソール)が入っているため、先端だけ剛性があります。
この機構のおかげで、小さなホールドに乗っても負けることなく耐えてくれます。
エッジング性能については、ある程度の大きさのフットホールドまでは快適にサポートしてくれます。
フットホールドがシビアになればなるほど、本人の足の指の強さに左右され、時には負けてしまうこともありそうです。
これはソフトシューズの宿命であり、ソフトシューズの中でもSTAYはエッジングを最大限サポートしてくれています。
粒を踏んで足が負けたら、STAYのせいではありません。
それは我々が弱いのです。
潔くシューズを変えるか、自分の足の指の力を鍛えるきっかけにしましょう。
残念なところ
トゥラバーのフリクション性能は少しだけ物足りなさを感じてしまいました。
というのも、トゥフック性能に突出しているシューズを履きすぎて、トゥフック性能の評価がめちゃくちゃ厳しくなっている自覚はあります。
さらに、もう少し使い込むとフリクションについてまた違った感想になる可能性があります。
数週間後のレビューの追記もぜひ読んでみて下さい。
STAYのトゥフックがかからないということは全くなくて、きちんとかければ効くのです。
僕がソフトシューズに期待していることは、ボテの処理やトゥフック性能を高次元で発揮できることに加え、相反するヒールフック性能やエッジングをどのレベルまで両立できるかです。
ソフトシューズのトゥフック性能は完璧であって欲しいと思うのが僕の素直な思いです。
まとめ
やはりSoiLLの【STAY】は「超快適なハイエンドソフトシューズ」です。
全体的なフィット感に加え、スメアリング性能は好感触です。
トゥフックも辛口評価しましたが、それはソフトシューズ同士で比べているからです。
クライミングシューズ全体で見れば、トゥフックは確実にかかりやすく、高性能と言えるでしょう。
元来のソフトシューズと言えば、ヒールフック性能やエッジングの性能は二の次のようなコンセプトのシューズが多かったですが、【STAY】は高い次元で両立しています。
ソフトシューズの中では最もヒールがかかるシューズと言っても過言ではないでしょう。
エッジング性能はつま先に入っているミッドソールが。
ヒールフック性能はスリングショットとフィット感によって高められています。
ソフトシューズも年々進化しておりますが、STAYはソフトシューズの新たなスタンダードになりそうです。
どちらかというとジムクライマー向きなSTAYですが、岩場でも使ってみて、またレビューを追記したいと思います。
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