筋肉の緊張が起きやすいデスクワーカー、トレーニー、アスリートの方にはマッサージガンは必需品といっても過言ではないでしょう。
なぜならマッサージガンは、筋肉の回復や柔軟性向上、血流促進、パフォーマンス向上に大変効果的なツールになるからです。
これは2023年に発表された、多数の研究をまとめた最新の論文で明らかになっています。
しかし、中にはマッサージガンを効果的に使えていなかったり、間違った使い方をしている方がいます。
そこで、この記事ではマッサージに関する論文を参考に”マッサージガンの効果的な使用方法”や”間違った使い方”をまとめました。
筆者の紹介
筆者はハードなクライミングに取り組むクライマーで、クライミングジムで働いております。
ハードに登ることが多いことから、セルフケアの一環としてマッサージガンを愛用しています。
以前セルフケアを怠った結果、怪我をして1年以上満足に登ることができず、悲しい思いをしました。
高負荷の運動や長時間姿勢の崩れが続くと、疲労の蓄積、筋肉の緊張、コリや慢性的な痛みにつながります。
筆者もマッサージガンを使用するようになってから、筋肉の緊張が減り、体が楽になりました。
ケガもしていません!
この記事は以下のような方々にオススメです。
マッサージガンの効果的な使い方は?
肩のコリがひどい…
慢性的な痛みがある…
マッサージガンを買っても上手に使えていない場合、効果が半減してしまったり、逆効果になってしまうことがあります。
高価なマッサージガンが無駄にならないように、しっかりと使い方を確認しましょう。
マッサージガンの効果的な使い方は以下の通りです。
- 拮抗筋のセルフケアが大切
- 強さ、時間、角度が大切
- アタッチメントを変える
これらを詳しく説明していきます。
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効果的なマッサージガンの使い方
マッサージガンの使用は筋肉の回復や疲労軽減、リカバリーの速度を向上させるために非常に重要です。
マッサージガンは振動によって筋肉にアプローチし、血流の促進、筋肉の緊張緩和、メンタルにまで影響を及ぼします。
以下の項目が、マッサージガンの効果的な使い方となります。
- 使う目的を明確にする
- 拮抗筋に注目する
- 適正な振動の強さと使用時間にする
- 角度とアタッチメントを変える
- ストレッチと合わせる
では、詳しく説明していきます。
①マッサージガンを使う目的を明確にする
マッサージガンを効果的に使うためには、使用目的を明確にすることが重要です。
目的によって、マッサージガンの使用方法や設定を調整しましょう。
それぞれの目的に合わせたアプローチを取ることで、より効果的なリカバリーを実現できます。
例えば、 マッサージガンの一般的な使用目的には以下のようなものがあります。
- 筋肉の緊張を緩める
- 筋肉痛を軽減させる
- パフォーマンスを上げる
筋肉の緊張を緩める
長時間のデスクワークや運動後の筋肉の緊張を緩めるためにマッサージガンを使います。
筋肉の緊張を緩めるためには低負荷の振動がオススメです。
筋肉痛の軽減
筋肉の痛みや炎症を軽減するために、マッサージガンを使用します。
疲労物質の排出を助けることで、回復のスピードを向上させます。
痛みを感じている部位ではなく、その周囲の筋膜をほぐしましょう。
パフォーマンスを上げる
マッサージガンを使うことで、筋肉の活性化や収縮力の向上を図ることができます。
パフォーマンスを上げたい時は比較的高刺激の振動がオススメです。
【まとめ】
このように、マッサージガンを効果的に使うためには、使用目的を明確にすることが重要です。
それぞれの目的に合わせて、適切な強さ、時間を設定し、効果的に使いましょう。
②マッサージガンを効果的に使うには拮抗筋に注目する
マッサージガンの効果を最大化するためには、拮抗筋に注目することが大切です。
拮抗筋とは、体の動きを作るために協力しあって働く筋肉の組み合わせのことです。
一方の筋肉が収縮するとき、もう一方の筋肉は伸張するようになっています。
例えば、腕を曲げるときには上腕二頭筋という筋肉が収縮し、腕を伸ばすときには上腕三頭筋という筋肉が収縮します。
これら二つの筋肉は拮抗筋の関係にあり、お互いに逆の動きをすることで腕の動きを実現しています。
この相互作用を「伸張反射」と呼びます。
このことから、片側だけを重点的にほぐすと、筋肉のバランスが偏り、ケガのリスクが高まります。
マッサージガンを使う際には、片側だけに集中するのではなく、拮抗筋も同様にほぐしましょう。
そうすることで筋肉のバランスが整い、ケガの予防に繋がります。
③マッサージガンの効果的な振動の強さと使用時間
マッサージガンには、振動の強さを変えることができる機能が備わっています。
効果的な振動の強さは20~50Hzとなり、これは1200~3000rpmの間です。
振動によるハムストリングスへの影響を調べた研究では20Hz以上で回復効果、30Hz以上でパフォーマンスの向上につながるとしています。
さらに50Hz以上の振動は、揉み返しや損傷が起きる可能性があります。
次に使用時間についてですが、マッサージガンを使った研究の多くは5分から30分で、メーカーでも15分以下を推奨しているところが多数です。
さらに1部位につき10~60秒間の実験が多く、30秒程度が推奨されています。
まとめると、マッサージガンの振動は1200~3000rpmで使用時間は30分以下が効果的となります。
マッサージガンは、自分が気持ちいいと感じるくらいが適正で、自身の体調や感じ方に合わせてマッサージガンの強さを変えましょう。
過度な使用は、筋肉にダメージを与える可能性があるので注意してください。
④マッサージガンをあてる角度とアタッチメント
まず、マッサージガンを効果的に使うためには、あてる角度にも注意が必要です。
なぜならマッサージガンをあてる角度によって刺激の強さが変わり、強すぎる場合があるからです。
例えば、マッサージガンを部位に対して垂直にあてると刺激が強くなり、大きい筋肉の筋膜リリース効果が高まります。
一方、斜めにあてると刺激が弱くなり、小さな筋肉や骨が隣接している筋肉の筋膜リリースの効果が高まります。
次に、マッサージガンにはさまざまなアタッチメントが付属しています。
アタッチメントを変えることで、刺激の面積や形状を変えることができます。
例えば、ボール状のアタッチメントは広範囲の筋肉に、ポイント状のアタッチメントは特定の部位に集中的に刺激を与えることができます。
アタッチメントを適切に選び、あてる角度と組み合わせて、より効果的なマッサージを行うことができます。
あてる部位 | オススメアタッチメント | オススメ圧力 |
---|---|---|
肩(僧帽筋、三角筋) | ボール型、平型 | 強い |
前腕、上腕 | 円柱型、U字型 | 普通 |
手の平 | 円柱型 | 弱い |
お尻(大殿筋) | ボール型 | 強い |
ハムストリングス | ボール型、平型 | 強い |
ふくらはぎ | ボール型、平型 | 普通 |
⑤マッサージガンとストレッチの組み合わせ効果
マッサージガンとストレッチの組み合わせは、相互補完的な効果をもたらします。
正しいタイミングでストレッチとマッサージガンを行うことで、筋肉の可動域をより広げる効果があります。
マッサージガンは振動による筋膜へのアプローチですが、ストレッチは筋肉へのアプローチとなります。
両者はアプローチの方法が異なりますので、どちらかではなく組み合わせることで効果が上がります。
マッサージガンを使用した後に、ストレッチを行うことで、効果を最大化することができます。
マッサージガンの間違った使い方
マッサージガンを効果的に使うためには、誤った使い方を避けることが重要です。
マッサージガンの間違った使い方をすると、身体に悪影響を及ぼしたり、効果を得られなくなる可能性があります。
以下の4点がマッサージガンの間違った使い方となります。
- 痛みがある部位に使用する
- 強すぎる刺激を与える
- 神経・血管が密集している部位に使用する
- 同じ部位に長時間使用する
①痛みがある部位に使用しない
マッサージガンは筋肉の緊張をほぐす目的で使用されるため、痛みのある部位に直接あてることは避けるべきです。
痛みがある場所に刺激を加えると、炎症や損傷を悪化させる可能性があります。
②強すぎる刺激はNG
マッサージガンの振動は強力ですが、強すぎる刺激を与えると筋肉や組織に負担をかけることになります。
適切な圧力や振動の強さを選ぶことで、快適なマッサージ効果を得ることができます。
③神経・血管が密集している部位に使用しない
マッサージガンの振動は、体のデリケートな組織に影響を与えます。
首などの神経や血管が集中している部位に直接的な刺激を加えると、脳震盪や損傷のリスクが高まります。
適切な部位に使用しましょう。
④同じ部位に長時間使用しない
マッサージガンは効果的なリカバリーを促進するためのツールですが、同じコリやポイントに長時間集中的に使用することは避けるべきです。
なぜなら長時間当て続けると、揉み返し(炎症)が起こることがあるからです。
適度な時間で部位を移動しながら使用することで、均等な刺激を与えることができます。
マッサージガンの効果を示した科学的根拠
- 可動域が広がる
- 筋肉痛軽減
- 運動パフォーマンスの向上
- 血流の促進
- リラックス効果
信頼性の高いメタ分析によると、マッサージは他の手法(ストレッチ、軽い運動、電気刺激、圧迫ウェア、冷水浴、寒冷療法)よりも「筋疲労の軽減」や「筋力回復」に優れた効果があるとされています。
さらにマッサージには「リラックス効果」「うつ病改善」などに効果があり、心身のリラックスを促し、緊張やストレスの緩和に役立つことが示唆されています
他の文献によると振動は「遅発性筋肉痛の軽減」「パフォーマンス向上」に効果があります。
最後に、マッサージガンを使った研究では、5分間の使用によって「可動域の向上」が認めれれています。
振動刺激が筋肉に与える影響により、筋肉の柔軟性が高まり、関節の可動性が向上します。
このように科学的な観点からも、マッサージガンの効果が示されています。
参考文献
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29755363/運動後のリカバリーについてまとめられた論文
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37020441/パフォーマンスの向上と柔軟性向上、痛みの軽減を示唆した論文(2023)
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7675623/可動域が広がることを示唆した論文
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6416504/可動域が広がることを示唆した論文
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27464321/不安障害の症状を改善することを示唆した研究
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30526170/筋肉痛が軽減されることを示唆した研究
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6416504/効果的な振動数を参考にした論文
マッサージガンの効果的な使い方まとめ
マッサージガンの使用は筋肉の回復や疲労軽減、リカバリーの速度を向上させるために非常に重要です。
マッサージガンの効果的な使い方には、以下のポイントがあります。
- 使う目的を明確にする。
- 拮抗筋に注目する。
- 振動の強さと使用時間を調整する。
- あてる角度とアタッチメントを適切に選ぶ。
- マッサージガンとストレッチを組み合わせる
間違った使い方を避けるために、痛みのある部位への使用や強すぎる刺激の与え方、神経や血管の密集した部位への使用、同じポイントへの長時間の使用は避けるべきです。
\筆者が使っているコスパ最強マッサージガン!/
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