こんにちは!ぶちょーです!
今回はキャンパシングについてお話します。
この記事では
「キャンパシングとは何か」
「キャンパシングは何のためのトレーニングか」
「キャンパシングの危険性」
これらの内容を詳しく説明しております。
気になる方はぜひ読んでいってくださいね。
キャンパシングとは
キャンパシングとは…
前傾させた壁に第一〜第二関節がかかる板を水平に取り付け、そこを足を使わず上下していくトレーニングです。
キャンパシングの起源は、故ヴォルフガング・ギュリッヒが
世界初の5.14d 「Action Directe」
という人間の限界レベルの指力が必要とするルートを登るために、強烈なトレーニングを行いました。
このトレーニング器具を最初に設置したのが、キャンパスセンターという場所だったようです。
おまけ動画は、小山田大さんによる「 Action Directe 」
キャンパシングのメリット
キャンパシングをすることで得られるものは
「指力、保持力がつく」
「力の強弱を調整できる」
「力を入れるタイミングの把握ができるようになる」
「姿勢や重心の把握による身体感覚の向上」
「上体の筋力アップ」
となります。
キャンパシングというものは、”腕や背中、指を鍛えるためのもの”といった見方をしている人が大半ではないでしょうか。
しかし、キャンパシングはただの上半身の筋トレだけでなく、”身体感覚の向上のトレーニング”でもあるのです。
身体感覚
クライミングに必要な感覚はたくさんありますが、その一部として
- バランス感覚
- 空間把握
- ボディイメージ
があります。
この身体感覚は、たくさん登りこむことによって、だんだん感覚がつかめてきます。
これは、クライミングの経験量、練習量の違いにより差がでます。
経験が浅い人は動きがぎこちなくなってしまったり時間がかかるのに対して、経験を積んでいる人はスマートに短時間で登ることが可能なのです。
「クライマーズ・コンディショニングブック」菊池敬之著(山と渓谷社)によると、
経験が浅く、ぎこちなく登っている状態を
「粗形態」
経験を積んで、無駄なく、スマートに登れることを
「精形態」
と表し、自分のグレードを上げていく場合について、次のように記されています。
多くは粗形態のまま次の段階に進もうとする。
しかし本来ここでやらなければいけないのは、負荷を高める(グレードを上げる)ことではなく、負荷(力の発揮)を減らすことだ。
「クライマーズ・コンディショニングブック」菊池敬之著(山と渓谷社)
この「負荷」を減らすためには身体感覚の経験値を上げる必要があります。
ここからは僕の考えになりますが、負荷を減らすトレーニングはキャンパシングの他に「ナガモノ」を登るトレーニングが有効です。
ナガモノを登り切るには、できるだけ力の出力を減らしながら登らないといけません。
キャンパシングのトレーニングは一瞬の力の入れ方が上手くなります。
反対に、ナガモノは脱力の仕方や省エネムーブの引き出しが多くなります。
初級者〜中級者がより重点的にトレーニングするべきものは「ナガモノ」です。
キャンパシングの危険性
まずはじめに言っておかなかければならないことは
「キャンパシングは上級者向けの高負荷トレーニング」
だということです。
これを知らずに知識も腱の強さもない方がいきなりやったり、毎日やるとケガをします。
キャンパシングをして故障する時
自分を過信すると故障します…
筋肉がついていない、腱や関節も強くなっていない方がキャンパシングをすると故障します。
初心者、中級者の方はキャンパシングのトレーニングをせずとも、登りこむことでまだまだ強くなることができます。
初心者の方が軽い気持ちで、キャンパシングすると、痛い目みます。
いきなりやると故障します…
体や指がまだ温まっていないのにキャンパシングをすると、上級者でも故障します。
体や指を温めるためにしっかりとウォーミングアップをしてからキャンパシングをしてください。
最後にやると故障します…
しっかり登りこんだあと、最後の締めでキャンパシングをすると故障します。
体が疲労しているのでキャンパシングの負荷に耐えられません。
さらに、疲労している状態でキャンパシングをしても最大筋力が発揮されないため
神経系(身体感覚)トレーニングにはならないそうです。
筋肉の疲労が残っていない、完全にフレッシュな状態で行わなければならないということだ。
よってこれをクライミング後のワークアウトとして行うのは、このトレーニングの真の意義には適っていない。
「クライマーズ・コンディショニングブック」菊池敬之著(山と渓谷社)
やりすぎると故障します…
毎日のように本気でキャンパシングしていると当然、故障します。
キャンパシングをして体がフレッシュな状態になるまでに、一日のレストは必要となります。
よって、キャンパシングトレーニングは最高でも週3回程度に抑えましょう。
若すぎると故障します…
10代のクライマーがキャンパシングすると(成長期に骨や関節、靭帯に負荷をかけると)、回復が追いつかずに故障やケガの原因となります。
ユースクライマーのキャンパシングトレーニングは、控えたほうが良いと思います。
特に、10代のこどもたちは自分で判断することが難しく、キャンパシングをして指を壊してしまう危険性を知らずにやり続けたり
知識のない指導者が無理にキャンパシングさせた結果、最悪、その子のクライミング人生を奪ってしまいかねません。
最後に
キャンパシングは疲労が残っていなく、指や体が温まった状態で行うのがベストです。
神経系のトレーニングだということを意識することで、ボディーイメージが向上し、
瞬間的に掴む能力(接触筋力「コンタクトストレングス」)や、保持力も向上していきます。
「初心者〜中級者、ユースの方がキャンパシングのトレーニングを続けるのは、かなりリスキーなこと。
ということを覚えておいて下さい。
\\保持力強化法はこの記事//
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