[クライミング]メンタルを強くするその1

どうも、ぶちょーです!!

今回はクライマーのメンタルについてです。

[Bishopでのボルダリング]心臓バクバクの筆者

僕はクライミングを上達させるうえで「メンタル」は土台だと思っています。

モチベーションが湧かないとクライミングする意欲はなくなりますし

感情が「楽しい」方向に向かないと

モチベーションは湧きません。力も出ません。

さらに、ランナウトのよる恐怖心やオンサイトトライのプレッシャーに打ち勝つためにも

「メンタルの土台」はとても大切なのです。

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もっとクライミングについて知りたい方は読書がおすすめです!

この記事を書いた人

ぶちょー(クライミング飛鳥店長)

15歳からクライミングをはじめ、現在28歳。
趣味は読書やカメラ。
【登ってきた主な課題】
最高RP 四段 5.13a フルチャージ(四段) Midnight Lightning(V8)などなど

目次

メンタルが与える影響

僕が働いているジムでは、たまに

「無理!」「こんなのできるわけない!」

なんて言葉が聞こえてきます。

自分が発した言葉の影響は計りしれません。

はじめはなんとなく言っていただけの言葉が

だんだん刷り込まれていき

本当に脳がそう思ってしまい、本来出せたであろう力が出せなくなってしまいます。

口癖になっている方は要注意です。

「自分にはできない」「無理」などと

長い間刷り込まれた潜在意識は体に染み込んでいるため

メンタルを鍛えるには相当な努力が必要です。

この寓話を知っていますか?

サーカスで像の子供を細い鎖で繋ぎます。
像の子供は力がないため引きちぎれません。
子像が大人になって力がついても
「鎖は引きちぎることなんてできない」
と思い込んでしまっているため
逃げずにおとなしくしているのです。

客観的には行動によって結果を変えられる状況になっても

思い込みによりあきらめ、行動しようと思わなくなること

学習性無力感

といいます。

自分ができないと思ってしまっているだけで、

本当はもう少しトライすればできるかもしれないのです。

たとえ、できなそうな課題があったとしてもネガティブな発言はしないようにしましょう!!

さらに

力を出せるかどうかは感情によっても左右されます。

いままで出来なかった課題がなんとか登れて

「ウレシー!!」

となっている時

他の出来なかった課題が続けて登れてしまった!

なんて経験はありませんか?

それは感情がプラスの方向へ向いているからです。

人は喜んだり楽しいと思ったときにパフォーマンスが上がると言われています。

逆に無気力だったり、イライラしているときは力が出ない、集中できないのです。

パフォーマンスが上がる心理状態ランキングは、

  1. 喜び
  2. 恐怖
  3. 怒り
  4. 諦め

になります。

課題ができなくて怒っている方いませんか?

実は集中できていないため

あまりよいパフォーマンスはだせていないかもしれませんよ?

メンタルの土台

CLIMBER’S BIBLE クライマーズ・バイブル
created by Rinker

クライマーズバイブルには

体を鍛えることばかりに熱中し、心や頭のトレーニングをおざなりにしているのは勿体ない。

出典:クライマーズバイブル 上 理論編 

さらにクライミングを生涯の趣味とするならば、心は何歳になっても鍛えることができるもの

ということも書いてあります。

メンタルを安定させるにはまずは自分を知ることです

それに加え

モチベーションを上げ、リラックスし、自己効力感を上げていきます

そうすることでメンタルの土台が整い、パフォーマンスが上がっていきます。

自分を知る

あなたは自分の心と体の状態を説明できますか?

メンタルを安定させるには自分自信を客観的に見る事(メタ認知)が大切です。

肉体面(体)と精神面(心)、どちらからも自分を評価できると

不安感を和らげ、対処能力を高めます。

肉体面(体)を客観的に見る。

とは

自分は何ができて何ができないのかを知ることです。

「あのくらいのカチなら保持が可能だな」

「あの距離なら引き付けてとることができるな」

「あの辺で体が回転し、あの辺に落ちそうだな」

など自分の経験が多ければ多いほど

客観的に見ることができます。

そして

精神面(心)を客観的に見る。

とは

今どのような気持ちなのかを感じることです。

「今日はとてもワクワクしているな」

「急いでるし、あまりリラックスできてないな」

自分の感情や感覚を冷静に感じなければいけません。

メンタルを鍛えたいと思ったら

自分を客観的に見る習慣をつけましょう!

普段の生活からやるもよし、オブザベーション時にやるもよしです。

モチベーション

モチベーションがなかなか上がらない…

どうすればモチベーションは上がるのかが分からない…

という悩みをお持ちのクライマーはいらっしゃいますか?

そんな方のためにまずはモチベーションについて説明したいと思います!

モチベーションとは

動機付け、やる気などと呼ばれますが

クライマーにとっては

純粋に登りたいと思う気持ちや

強くなりたい、上手くなりたい、続けたい

などの登るための意欲のことを指すと思います。

目標を設定する

モチベーションを高めるためにはまずは目標を設定します。

あの人に勝ちたい、周りの人に認めてもらいたい!

と思う「自我目標

上達したい、グレードを上げたい!

と思う「課題目標

というクライミングの目標にはこの2種類があります。

自我目標ばかりに頼る場合

自分に自信がある場合は進んで登りに行けますが

自信がなくなっしまった時に

「失敗が恥ずかしい」

「あの人に見られたくない」

などの動機により登らなくなってしまうことがあります。

課題目標の場合は

自信はあまり必要なく、失敗することが前提の目標となります。

失敗なくして上達はありえませんので。

目標設定のコツは自我目標と課題目標を両方設定しつつ

できるだけ課題目標を大切にしてください!

目標は多ければ多いほどモチベーションは途切れません。

できるだけ多く、生涯目標から今日の目標まで設定しましょう!

自信(自己効力感)

モチベーションを高めるためにはまず

「自分にできそう!」

「やればできる!」

などと思える自信(自己効力感)をつけましょう

自信をつける準備として

「登り込めば上達する」

と確信することと

「登り込むことを続けられる」

ほどの情熱をもつ。

これを意識してください。

モチベーションを高める

あなたは、いままでどのようなことをしたら(見たら)モチベーションが高まりましたか?

自分が手も足もでない課題をつよつよクライマーがさらっと登っているのを見たとき?

課題を登れたことを周りから誉められたとき?

自分の最高グレードを更新したり、長年登れなかった課題が登れたときでしょうか。

自信(自己効力感)を高める4つの要素を紹介します。

1、成功体験

「遂行行動の達成」です。

この成功体験は4つの要素の中で一番強力にモチベーションを支えます

このムーブができた、この課題ができた。

など成功を積み重ねることで

「またできる!!」

という自信の源となります。

2、モデリング

「代理的経験」ともいいます。

これは誰かが登っている姿を見て

「自分にもできる!!」

となることで自信(自己効力感)をつけていきます。

これは、面識のないクライマーを見るよりも

仲間のクライマーを見る方が自信がつきやすいそうです。

3、鼓舞

「言語的説得」です。

「その課題できたの?すごいね!」

「大丈夫!君ならできるよ!」

など

誰誉められたり励まされたときに自信(自己効力感)がつきます。

これは自分で誉めたり励ましても自信がついていくはずです。

自分より経験してきている人や自分より上手な人に鼓舞されると

効果は絶大です。

4、わくわく

「生理的・情動的喚起」といいます。

自分や他人が登っている姿をイメージして

わくわくしたり、ドキドキしたときに自信(自己効力感)がつきます。

自分の成功体験や人に誉められた時をイメージすることでさらに自信がつくでしょう。

モチベーションが低下するとき

何度もトライしても登れない課題があるときは

それだけでやる気がなくなってしまいます。

それを繰り返していると冒頭に出てきた子像の話のように

あきらめ、行動しなくなります。(学習性無力感)

学習性無力感の状態になるまでには個人差があると言われています。

「上達しないのは自分の運動能力や才能のせいだ」

と考える人は自分の能力はかんたんには変えることができないため、

この先も上達しないだろうと無力感を感じやすく

反対に

「上達しないのは登る量が少ないからだ」「登り方が悪いんじゃないか」

と考える人は上達する可能性は維持されるため

無力感を感じにくいとされています。

モチベーションを下げる要因として他には

・自分よりも強いはずの人が自分のトライしている課題で落ちたとき

(モデリングの失敗)

・「なんでできないんだよ!」と言われるなどの叱責を受けたり、無視される

(鼓舞の逆)

・疲労や不満が溜まっていたり、痛みがあるとき

(わくわくできない)

などがあります。

リラクゼーションとは

メンタルを安定させるには心身をリラックスすることがとても大切です。

リラクゼーション(リラクセーション)とは

「自らの意思によって精神をコントロールする」

「体が緩み、心がくつろいだ状態を自分で感じられる」

という状態のことを言います。

リラックスすることによる主な効果は

  • 自分の体に鋭敏になる
  • 眠りが深くなる
  • 疲労が回復する
  • 精神が晴れる

となります。

リラックスするためには何をすればいいのか

説明します。

呼吸を意識する

緊張したとき心臓の鼓動を無理やりコントロールすることはできませんが

「呼吸」はコントロールが可能です。

緊張や恐怖心を感じていると自然に脈拍が早くなり、呼吸が浅くなります。

そこで意識して静かな深い呼吸をすることで

脈拍が遅くなり血圧も低下します。

そうすることで筋肉がリラックスし、恐怖心や緊張を和らげることができるのです。

「あがり」を克服する

普段の練習であがってしまう人はあまりいないかもしれませんが

コンペなどであがってしまった…

という経験がある方はいらっしゃるのではないでしょうか

あがってしまう人の要因はたくさんありますがその一部を紹介いたします。

  • 見られることによるプレッシャー
  • 周りからの評価されるプレッシャー
  • 時間の切迫
  • 自信の無さによる無力感

などなどこれらがストレスとなって不安感情が積もると

注意散漫になったり

体がいつもと違う動きをしてしまいパフォーマンスを低下させます。

多くの人は恐怖心や緊張を感じた時

「怖くない」

「緊張してない」

と自分に言い聞かせる方法を試したことがあるのではないでしょうか。

それはお腹が空いたときに

「お腹なんか空いてない」

と言い聞かせてるのと同じです。

緊張しているときはドキドキするし

お腹空いているときは食べたくなるのです。

無理に抑えこもうとするよりも

「今回はこのくらいか」

と、自分の心の状態を感じ取り

状況に応じた対処が大切です。

「あがり」を克服するには

自分の状況を親しい人に説明できるくらい自分を客観的に見れるようになりましょう

自分の心の状態に気づき、知ることができていれば

対処(呼吸など)ができます。

「岩場」でのメンタルコントロール

「恐い」

一般的に

「知らない」「理解できない」「やったことがない」

という状態が恐怖心に繋がります。

よって

「リスクを知る」「自分自身を知る」

ことで恐怖心を少し和らげることができます。

ですが、恐怖心がない状態の方がよりいい

ということはなく

適度に恐怖心をもつことで危険を考え、リスクを減らすために行動できます。

恐怖心がなかったり過度に楽観的な人はリスクを考えないため

大きな怪我をしやすいと言っていいでしょう。

次に

クライミング特有の恐怖心についてです。

それは

「落ちること」

に対する恐怖心です。

きちんと安全が確保されている状態でも

「本当に大丈夫なのだろうか」

「この先に進んでしまってもいいのだろうか」

という不安はつきまといます。

フォールによる恐怖心を克服するには正しい墜落の仕方を学び、

事故の事例を知ることである程度まで克服できます。

ジムの被った壁で少しずつフォールの距離を伸ばしていく練習をして経験を積みましょう。

さらに、しっかりと信頼関係を築いていて経験の多いビレイヤーをパートナーとしましょう。

外岩に行く方、

ランナウトによる恐怖心のせいで体がこわばってしまった経験ありますよね。

ランナウトによる恐怖心を軽くするには

自分のオンサイトグレードを把握し、

クライミング能力を向上させることで恐怖心が軽くなるはずです。

オンサイトグレード以下の課題でランナウトしていく場合、

自分の実力ならこのグレードはランナウトしたとしてもこなしていける

このグレードのムーブならたくさんやってきた!

という自信が恐怖心を軽くします。

その自信は少しずつ経験を積んでいくことでついていきます。

まとめ

  • メンタルはクライミングのパフォーマンスの土台である
  • まずは自分を客観的に見て体と心の状態を知る
  • 上達したい!という課題目標を大切にする。
  • モチベーションを高めるには自信をつけることをたくさんする
  • 学習性無力感に陥らないようにするには能力のせいにせず努力が足りてないと思うようにした方がよい。
  • リラックスするには深く呼吸する
  • あがりは自分を客観的に見る(メタ認知する)ことが大切。
  • 岩場でのメンタルコントロールは経験を積んでいたほうがしやすい。

メンタル(心)があなたの上達の足をひっぱっていませんか?

心は体と繋がっています。

登り始めれば楽しくなってきて心が軽くなり、体も軽くなるるように

メンタルを上手く調整できればクライミングのパフォーマンスにも変化が現れるのではないでしょうか。


さらに上達したい方はこちら↓

参考文献

CLIMBER’S BIBLE クライマーズ・バイブル
created by Rinker
クライマーズ コンディショニング ブック
created by Rinker
山と溪谷社

その他多数→ぶちょーが読んだ本まとめ

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