「クライマーは食事で強くなるシリーズその7」では、五大栄養素の糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルのうちの”ビタミン”について書きました。
今回は最後の一つ、「ミネラル」について記事にします!
この記事を読むと分かること
- ミネラルとは何か
- ミネラルの種類
- 各ミネラルの効果
では早速…
ミネラルとは
五大栄養素は車に例えられることがあります。
タンパク質…ボディ
脂質、糖質…ガソリン
ビタミン、ミネラル…オイル、潤滑油
というものを前回紹介しました。
ミネラルは、ビタミンと同じように補酵素として働くものもありますが、主に筋肉や骨などの体の組織を構成するための栄養素となり、僕たちの体の4%はミネラルです。
僕たちの体に必要なミネラルは16種類あり、それらは体内で作ることができないため食事から摂取しなければいけません。
必須ミネラル
- ナトリウム
- カリウム
- カルシウム
- 鉄
- 亜鉛
- マグネシウム
- 銅
- マンガン
- セレニウム
- ヨウ素
- モリブデン
- リン
- クロミウム
- 硫黄
- 塩素
- コバルト
ナトリウム
ナトリウムはナトリウムイオンと塩素イオンが結合した”食塩”の形で摂取されることが多く、カリウムとともに水分の調整や浸透圧の維持を行っています。
食塩として考えると、1日に摂取するべき最低基準は7.6g、9〜11gくらいがちょうど良く、17gを超えると心臓疾患のリスクが増えます。
夏に食欲が落ちるのは汗としてナトリウムが排出される他、水を大量に飲むため体内のナトリウムが薄くなり胃酸があまり作られなくなるせいです。
夏場に食欲が落ちたと感じたら、しょっぱいものを食べてみましょう。
カリウム
カリウムはナトリウムとともに細胞の浸透圧を維持しています。
他には神経刺戟の伝達や、心臓機能や筋肉機能の調整、酵素反応の調整、血圧を下げる働きなどがあります。
塩分過多が気になる方はカリウムを摂ることで、ナトリウムの腎臓における再吸収を抑制し体外に排出することができます。
藻類、果実、芋、豆、肉、魚、野菜に含まれ、カリウム不足になることはまずないそうで、反対に過剰摂取も、もともと腎臓が悪くなければ問題ないそうす。
カルシウム
カルシウムはミネラルの中でも最も多く体内に存在し、そのうちの99%は歯と骨です。
骨になる以外にも筋肉の収縮や神経伝達、体液のPH維持、血液を固める働きなどがあります。
平成27年国民健康、栄養調査におけるカルシウムの1日摂取基準量は700mg程度で、上限値は2500mgとされています。
カルシウムが足りないと骨が弱くなってしまう他、神経や筋肉の興奮が高まり筋肉が痙攣してしまうこともあります。
鉄
鉄の働きは赤血球を作り、酸素を運搬すること。
よって、鉄が足りないときは貧血が起こりやすいと言えます。
他にはセロトニンやドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質を作る時にも必要で、不足時はイライラしたりするなどの精神状態への影響もあります。
レバーや赤身肉に多く含まれる鉄ですが、推奨摂取量は男性で7.0〜7.5mg、女性は10.5〜11.0mgとなっています。
亜鉛
亜鉛働き↓
- 酵素の補因子としての役割
- 味覚を正常に保つ
- DNAやタンパク質の合成
- 生殖機能改善
- うつの緩和
- 免疫反応の調整
これらの働きを担っています。
特に亜鉛は、テストステロンや成長ホルモン、インスリンを作る時に必要とされます。
レバー100gに約7mg、牡蠣100gに約13mgほど含まれている亜鉛ですが、厚生労働省によると摂取基準量は一般男性10mg、女性は8mgとなっています。
マグネシウム
マグネシウムの働きは筋肉の収縮を防ぐことで、攣ったり肉離れしてしまうのを防ぎます。
さらに、タンパク質の合成、骨の強化、心臓血管系疾患や糖尿病を防ぐ働きもあります。
マグネシウム含有量が多い食品を例としてあげると、あおさ100gに約3200mg、わかめ100gに1100mgほど含まれています。
厚生労働省による推奨摂取量は男性で400mg、女性で300mgとなっております。
銅
銅は摂取量が少ないほど吸収されやすいミネラルで、貧血予防や免疫力強化、動脈硬化予防、耐ストレス効果があります。
1日の摂取基準量は男性0.9mg、女性0.8gとなっていて、牛レバーや干しエビ、ほたるいかに多く含まれています。
マンガン
マンガンは骨の形成、糖質と脂質の代謝に働く酵素の補因子になる他、多くの酵素の構成成分になっています。
必要量が微量で植物性の食品に多く含まれているため、足りなくなることはほとんどないとのことです。
マンガンは玉露や栗、パイナップルなどに多く含まれます。
セレニウム
セレニウムは魚介類やレバーに豊富に含まれるミネラルで、シミや老化の原因となる活性酸素の生成を抑制してくれます。
厚生労働省によると1日30μgを推奨しているそうですが、日本人の食事では平均100μg摂取しているようです。
ヨウ素
ヨウ素はワカメや海藻類に多く含まれていて、不足すると甲状腺の肥大や甲状腺腫が起こり、精神発達障害、成長発達障害が起こります。
過剰摂取の弊害もあります。甲状腺機能の低下、体重減少、頻脈などが起こります。
1日の目安は130μgで、ワカメ10gで大体190μg含まれています。
モリブデン
豆類に多く含まれるモリブデンは、プリン体の分解や糖質、脂質の代謝を助ける働きがあります。
モリブデンは普通の食事から十分摂取することができるため、通常不足することはありません。
余剰のモリブデンも尿として体外に排出されるため。過剰摂取の心配もあまりいらないそうです。
リン
リンは体重の1%程を占めていて、そのうちの80%はカルシウムやマグネシウムと結合し歯や骨を形成しています。
他にはタンパク質、糖質、脂質と結合し細胞膜のリン脂質として存在します。
リンも肉や魚など、普通の食事から十分摂取することができるため不足の心配はありませんが、もし不足したり過剰摂取した場合、歯や骨が弱くなります。
クロミウム
人体に必要なミネラルの中では最も微量で、リンパ節、歯、肺に多く存在します。
クロミウムは主にインスリンの働きを助ける効果があり、糖尿病や動脈硬化、高血圧を予防してくれます。
クロミウムも普通の食事から十分取れるため不足する心配はありません。
硫黄
硫黄はメチオニンやシステインなどの含硫アミノ酸の構成成分で、活性酸素の除去やタンパク質の合成を担います。
他にはビタミンB1と結合し、糖質や脂質の代謝、角質軟化作用、殺菌作用、ニキビ予防、有害なミネラルを体外へ排出したりします。
牛肉や羊肉に多く含まれています。
塩素
塩はナトリウムと塩素が結合したものです。
塩素は体内では塩化物イオンの形で存在し、胃酸の材料となります。
コバルト
コバルトはビタミンB12の構成成分で、貧血予防や神経障害などの予防する働きがあります。
ビタミンB12を摂っていればコバルトは摂る必要がありません。
ビタミンB12は牡蠣や魚介類、レバーに多く含まれます。
まとめ
各ミネラルについて説明しました。
ミネラルは骨や筋肉の元になるだけでなく、酵素の働きを助けたり体の組織を構成するために必要な栄養素です。
今回紹介した16種類のミネラルは必須ミネラルと呼ばれ、体内で重要な役割を担っています。
これらは体内で生成することができないため、普段の食事から摂らないといけないのです。
中には摂りすぎてしまうと良くないものもありますので、摂取量を確認した上で摂るようにしてください。
参考文献
日本人の食事摂取基準(2015 年版)総論 ミネラル(多量ミネラル) 厚生労働省(PDF)(外部サイト)
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